1.概観
【株式】
11月の主要国の株式市場は、世界的に長期金利が大きく低下したことを受けて、投資家のリスク選好姿勢が強まったことから、中国を除き上昇しました。米国株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ局面が終了したとの見方が強まり、米長期金利が大幅に低下したことを好感して、大きく上昇しました。欧州の株式市場も、長期金利が低下するなか、米国株の上昇を受け、堅調な展開となりました。日本の株式市場も、日本企業の決算が好調なことや、米長期金利の急低下に伴いハイテク株などに買い戻しが入ったことから、大幅な上昇となりました。一方、中国株式市場は、景気対策期待が下支えとなったものの、中国不動産市場の低迷による景気減速懸念などから上値が重く、上海総合指数、香港ハンセン指数ともにほぼ横ばいでした。
【債券】
米国の10年国債利回り(長期金利)は、FRBが米連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続の政策金利据え置きを決めたことを受けて、利上げ局面が終了したとの観測が強まったことから、大きく低下しました。ドイツの長期金利は、欧州経済の減速や米長期金利の大幅な低下を受けて、低下しました。日本の長期金利は、米長期金利が大幅に低下したことや、日銀が早期に金融緩和政策の修正に動くとの見方が後退したことから、低下しました。
【為替】
円の対米ドルレートは、FRBによる利上げ局面が終了したとの見方が強まり、米長期金利が大幅に低下したことを背景に反発し、147円台に上昇しました。
【商品】
原油価格は、中国や欧州に加え、米国の景気減速による世界経済の先行き懸念を背景に、原油需要が鈍るとの見方が高まったことから下落しました。