“ハニートラップ”のパターンも!不動産営業に潜む「罠」
ここで、具体的にどんな罠があるのか紹介しましょう。
【営業電話】
いきなり不動産会社からかかってくる営業電話は「節税や将来の年金代わりに!」など、不動産投資に詳しくない人に対して、巧みなセールストークを展開します。この営業電話から、喫茶店やファミレスなどで行う面談に進むと、かなりしつこく物件を勧めてきますので、電話口できっぱりとお断りするのが賢明です。
【知人からの紹介】
友人や知人などから不動産会社を紹介されることもあります。しかし、いくら紹介者が信用できる人間だからとはいえ、紹介先も信用できるとは限りません。その紹介先が「本当に信頼できる不動産会社なのか」は自分自身で確認するべきです。善良な紹介者が、悪徳不動産会社の営業マンに騙されている可能性もあるのです。
【異業種交流会】
異業種交流会やセミナーなどへ参加することにより、不動産の営業マンと出会い、投資物件を紹介されるケースがあります。本業の仕事以外で積極的に人間関係を構築する場所だけに、断りにくい雰囲気を利用して粗悪な物件を販売する手口です。
【デート商法】
最近はかなり減りましたが、不動産投資業界でも魅力的な異性が近づいてきて、食事やデートを重ねて仲良くなったころに投資物件を提案してくる販売法です。冷静な判断ができなくなり、不利な投資判断をしてしまう人もいます。
男性には女性営業マン、女性には男性の営業マンが担当し、男女どちらのパターンもあります。これは結婚詐欺に近いやり方で、金銭だけでなく心にもダメージを与えます。
鵜呑みはキケン…手付金を支払う前に注意深く確認を
このように、販売のプロである彼らのやり方には複数あり、セールストークに説得力があるのも特徴です。こちらに知識があれば容易に切り返せることでも、相手をプロだと思い込み信用してしまえば、赤子の手をひねるかのように契約まで進んでしまいます。
最悪なケースでは物件購入に至りますが、なかには決済ギリギリで気づいて、契約解除はできたものの、手付金(契約時に支払う金銭)が戻ってこなかった……そんな話もよく耳にします。
もちろん、世の中にはしっかりした良心的な不動産会社もたくさんありますが、悪質な会社はそれ以上にあるので、営業マンの話すことを鵜呑みにするのは大変危険です。ましてや、すぐに仮契約したり、手付金を支払ったりするのは、絶対にしてはいけません。
一見、プロと思える不動産の営業マンも、実際には不動産を売るだけのプロであり、不動産全体のプロではないことを肝に銘じておきましょう。
名取 幸二
株式会社ペスカトーレ
代表取締役
杉田 卓哉
一般社団法人マネー総合研究所
所長
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