不動産投資の課題である「銀行融資」に強いといわれている、地方の「RC一棟マンション」。しかし「融資には有利だが、多くのリスクを伴う」と、不動産投資歴15年、家賃収入3億円超えの実績を誇る名取幸二氏と、一般社団法人マネー総合研究所所長の杉田卓哉氏はいいます。著書『不動産投資 絶対にやってはいけない39の落とし穴』より、その理由と、リスクを最小限に抑えるために必要なことをみていきましょう。
地方のRC一棟マンションは「融資に有利」と言われるが…
不動産投資では銀行融資が大きな課題です。
そもそも、レバレッジを効かせられるのは不動産投資最大のメリットです。これを目的に不動産投資を始める人も多いのです。
ただし、誰でもレバレッジが使えるわけではなく、銀行融資を受けるためには、自分の「属性」、それから「銀行評価の高い物件」の選定が大切です。
銀行評価には大きく分けて次の2種類があり、多くの銀行はその両方を見ます。
【収益還元評価】
対象物件から将来的に生み出されるであろう利益をベースに、不動産価格を求める評価方法です。
1年間の純収益÷還元利回り=不動産価格(収益還元価格)
【積算評価】
土地の価値と建物の価値をそれぞれ別に評価して、それを合算する評価方法です。
土地の積算評価=敷地面積×路線価
建物の積算評価=建物延床面積×標準建築費÷耐用年数×(耐用年数−築年数)
金融機関により「収益還元評価」と「積算評価」の比重の置き方や評価の計算式が変わるため、「A銀行ではフルローンが出るけれど、B銀行では出ない」といったことも起こります。
また、市況によっては融資が使いにくいタイミングや、逆に積極的に融資が使えるタイミングがあります。現在は融資が使いやすい時期ではありません。
そこで不動産投資家は、どうしたら融資が受けられるかを考えます。
地方のRCマンションは都心の物件に比べて積算評価が出やすいため「融資に有利」と言われています。
しかし、地方のRCマンションを選択するのは、大きな危険が伴います。というのも、RCマンションの老朽化が進めば、維持するためのコストはもちろん、解体時は木造に比べて多額の費用がかかります。
リスクを最小限に抑えるためには、建物の状態や将来性をしっかりと検討することが必要です。
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株式会社ペスカトーレ
代表取締役
1970年、長野県生まれ。流通系のサラリーマンをしながら、経済的自由をめざして不動産投資を志す。2009年念願の1棟マンションを購入し、以後サラリーマン投資家になり、2019年に独立。
現役不動産投資家として規模拡大を目指すかたわら、自身の経験を活かし、サラリーマン大家さん向けコンサルタントも行っている。不動産投資の実績はマンション18棟502室。購入総額31億円。家賃収入3億円超。
著書に『普通のサラリーマンが実現させた年収1000万円の不動産投資』(スタンダーズ社)がある。不動産投資コミュニティ「OTAKARA不動産投資スクール」を運営するほか、「家主と地主」「ウチコミ」「楽待コラム」など関連メディアへの掲載も多数。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載本気で成功するために知っておくべき「落とし穴」にハマらない不動産投資テクニック
一般社団法人マネー総合研究所
所長
1974年生まれ、兵庫県出身。北九州市立大学経済学部卒。
大手精密機器メーカーに勤務していたサラリーマン時代に不動産投資を始め、5,000万円の家賃収入を得てリタイア。近年は上場企業や金融機関などからマネー・リテラシー教育に関する社内研修や講演などの依頼も多数。
不動産投資のほか建設業、二級建築士事務所、宅建業など複数の会社を経営する事業家でもある。不動産投資コミュニティ「OTAKARA不動産投資スクール」を共同運営。
著書『「空き家」で儲ける! 驚異の利回り100%不動産投資術』(宝島社)など多数。
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