「働かなくてもお金を手に入れたい」……なかなか給料が上がらない昨今、不動産投資を夢見るサラリーマンは少なくありません。しかし、実際に購入に踏み切る際、「営業マンを“プロ”だと妄信することはキケン」だと、不動産投資歴15年、家賃収入3億円超えの実績を誇る名取幸二氏と、一般社団法人マネー総合研究所所長の杉田卓哉氏はいいます。著書『不動産投資 絶対にやってはいけない39の落とし穴』より、その理由についてみていきましょう。
営業マンは「売るプロ」であって「買うプロ」ではない
不動産投資を始めるにあたり、不動産会社の営業マンは物件情報を持つ大事な存在と認識している人が多いでしょう。
その認識で間違いないのですが、誤解もあります。それは不動産会社の営業マンに対して「この人はプロだ!」と思い込んでいること。不動産会社の営業マンは不動産の販売や仲介など、不動産売買に関わるプロフェッショナルです。しかし不動産売買の仲介の経験はあれど、買った経験のない営業マンが大半です。
つまり不動産会社の営業マンはあくまで“売るプロ”であり、けっして“不動産全体のプロ”ではないのです。これは結婚相談所の相談員が他人を結婚させるプロであっても、自身の結婚やその後の夫婦生活を幸せに送れるわけではないことによく似ています。
不動産投資つまり不動産賃貸業は買ってからがスタートです。不動産を売るまでが専門の不動産営業マンは、購入後のことをじつはよく知らない人がほとんどなのです。そのため、売ったら売りっぱなしの無責任な営業マンも少なからず存在します。
物件を売った後で空室に悩まされようと、多額の修繕費に苦しもうと、彼らに責任はありません。仲介の営業マンは、あくまで「不動産の売買を行うための仲介業務」を行っているだけだからです。ですから、われわれ不動産投資家が不動産全体のプロになる必要があります。
買った瞬間に赤字になるような“ヤバい物件”を売ることも
また不動産会社は、売上の数字に厳しい営業会社が多いため、営業マンは常にノルマのプレッシャーを感じながら不動産を販売しています。そのため「買わないほうがよい物件」まで販売せざるを得ないこともあります。
その代表的な物件に、買った瞬間から赤字になるような新築区分マンション(マンション内の1戸)があります。新築や中古に限らず、区分マンションでも1棟アパートでも、絶対に買ってはいけない物件があります。
そうした物件であっても、自分の営業成績のために売りつけてくるのです。もちろん、「私のために買ってください」とは口が裂けても言いません。お客が買いたくなるような、買わざるを得なくなるような、それこそプロのセールステクニックを駆使します。
ですから、不動産の営業マンを「不動産のプロ」と盲信していると痛い目に遭います。このように不動産の営業にはさまざまな罠が潜んでいるのです。
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株式会社ペスカトーレ
代表取締役
1970年、長野県生まれ。流通系のサラリーマンをしながら、経済的自由をめざして不動産投資を志す。2009年念願の1棟マンションを購入し、以後サラリーマン投資家になり、2019年に独立。
現役不動産投資家として規模拡大を目指すかたわら、自身の経験を活かし、サラリーマン大家さん向けコンサルタントも行っている。不動産投資の実績はマンション18棟502室。購入総額31億円。家賃収入3億円超。
著書に『普通のサラリーマンが実現させた年収1000万円の不動産投資』(スタンダーズ社)がある。不動産投資コミュニティ「OTAKARA不動産投資スクール」を運営するほか、「家主と地主」「ウチコミ」「楽待コラム」など関連メディアへの掲載も多数。
著者プロフィール詳細
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連載本気で成功するために知っておくべき「落とし穴」にハマらない不動産投資テクニック
一般社団法人マネー総合研究所
所長
1974年生まれ、兵庫県出身。北九州市立大学経済学部卒。
大手精密機器メーカーに勤務していたサラリーマン時代に不動産投資を始め、5,000万円の家賃収入を得てリタイア。近年は上場企業や金融機関などからマネー・リテラシー教育に関する社内研修や講演などの依頼も多数。
不動産投資のほか建設業、二級建築士事務所、宅建業など複数の会社を経営する事業家でもある。不動産投資コミュニティ「OTAKARA不動産投資スクール」を共同運営。
著書『「空き家」で儲ける! 驚異の利回り100%不動産投資術』(宝島社)など多数。
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