返済比率の関係上、長期融資の選択をすることが多い不動産投資では、融資期間の設定や返済方法などで悩む人が少なくありません。不動産投資歴15年、家賃収入3億円超えの実績を誇る名取幸二氏と、一般社団法人マネー総合研究所所長の杉田卓哉氏は「住宅ローンと不動産投資で使う融資とは、まったく考え方を変えるべき」と言います。名取氏と杉田氏の共著『不動産投資 絶対にやってはいけない39の落とし穴』より、詳しくみていきましょう。
返済期間を長くするほどキャッシュフローはよくなる
借金は「早く返したい」と願うのが人の常でしょう。
長く借りることのリスクを危ぶむファイナンシャルプランナーも多く、彼らの家計アドバイスでは、「定年退職までに住宅ローンを完済できる融資期間にする」ことが推奨されています。
とにかく「お金をたくさん借りない」「利息がもったいないから長く借りない」のが正義のように言われています。
しかし、こと不動産投資においては、「なるべく長期に返済したい」と考えるのが一般的です。
それは融資期間を延ばすほど、毎月のキャッシュフローが上がるからです。その際、銀行への返済比率は、できるだけ50%以下を目指したいものです。
そもそも不動産投資の融資と住宅ローンの借金は、その性質が異なるので、必ずしも融資期間を短くするのは正解とは言えません。投資方針しだいにはなりますが、毎月のキャッシュフローをしっかり取りにいくのであれば、長期間での融資を選択すべきです。
金利や融資期間、融資金額は銀行から提示された条件でほぼ決まります。これにより返済比率は大きく変わるため、不動産賃貸経営の全体構造も変わってきます。
融資条件の希望を事前に伝えることも可能です。銀行マンと話すのは緊張しますが、しっかりと意思表示することが大切です。
返済比率の関係から、不動産投資は長期にせざるを得ないでしょう。融資条件は、長期融資で低金利を求めるのがベターですが、すべての希望は叶いませんので、融資額、融資期間、金利のうち何を最優先事項とするかも決めておきます。
長期間で借りたうえで、後に金利交渉や他の銀行に借り換えなどの選択をしていくことも視野に入れておくとよいでしょう。
長期融資のデメリットとして、売却時にあまり残債が減っておらず、思ったよりも手元にお金が残らないこともあるかもしれません。どうしても元利均等返済だと期間の前半は金利の支払いが多く、元本はあまり減っていないものです。
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株式会社ペスカトーレ
代表取締役
1970年、長野県生まれ。流通系のサラリーマンをしながら、経済的自由をめざして不動産投資を志す。2009年念願の1棟マンションを購入し、以後サラリーマン投資家になり、2019年に独立。
現役不動産投資家として規模拡大を目指すかたわら、自身の経験を活かし、サラリーマン大家さん向けコンサルタントも行っている。不動産投資の実績はマンション18棟502室。購入総額31億円。家賃収入3億円超。
著書に『普通のサラリーマンが実現させた年収1000万円の不動産投資』(スタンダーズ社)がある。不動産投資コミュニティ「OTAKARA不動産投資スクール」を運営するほか、「家主と地主」「ウチコミ」「楽待コラム」など関連メディアへの掲載も多数。
著者プロフィール詳細
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連載本気で成功するために知っておくべき「落とし穴」にハマらない不動産投資テクニック
一般社団法人マネー総合研究所
所長
1974年生まれ、兵庫県出身。北九州市立大学経済学部卒。
大手精密機器メーカーに勤務していたサラリーマン時代に不動産投資を始め、5,000万円の家賃収入を得てリタイア。近年は上場企業や金融機関などからマネー・リテラシー教育に関する社内研修や講演などの依頼も多数。
不動産投資のほか建設業、二級建築士事務所、宅建業など複数の会社を経営する事業家でもある。不動産投資コミュニティ「OTAKARA不動産投資スクール」を共同運営。
著書『「空き家」で儲ける! 驚異の利回り100%不動産投資術』(宝島社)など多数。
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