失敗の“火種”になりかねないのが「放置」と「楽観視」
まず、不動産投資における「失敗」とはどんな状況を指すのでしょうか?
人によって定義は若干異なりますが、「持ち出し金額が大きすぎて、ローン返済が不可能になる」のは誰もが認める失敗でしょう。キャッシュフローがマイナスであっても失敗とは限りませんが、返済ができず、物件の所有を維持できなくなれば当然、失敗となります。
また、現時点ではそこまで痛みを感じなくても、そのままの状態でいたら致命傷になるパターンも失敗といえます。
たとえば、「入居者がつかないのに、3カ月以上放置している」というケースです。これはいわば、血を流し続けている状態です。そのままでいたら死に至る可能性もあります。
さらに、「この地域の入居率はこれくらいだから、今のままでも大丈夫」と楽観視するのも失敗の原因の一つになると私は考えます。入居率80%でもキャッシュフローが出ているから大丈夫と考えるのか。それとも、しっかり満室で経営していくべきか。両方を比べたときに空室を放置し続けるのは、やはり健全とはいえません。
また、キャッシュフローがマイナスになってしまっているケースでも、それを自覚していない人がいます。たとえば表面上は黒字であっても、税金を払ったらマイナスになるような場合です。収支の計算ができていない意味で典型的な失敗例です。
それ以前の問題として、家賃はいくら入ってくるのか認識しているものの、支出がどれくらいかかるのかは知らない初歩的な知識不足の人もいます。そうした人は自分の物件に関心がないのでしょう。すべてを管理会社に任せきりで、収支の詳細を把握できていないからです。
起こりがちなのが「リフォーム」にまつわるトラブル
実際、そうした意識の低いオーナーに対して、管理会社も不誠実になりがちです。そもそも一般的な管理会社主導のリフォームは割高で、不必要なリフォームを行ったりするケース、もしくは賃貸ニーズに合わないリフォームを行うケースもあります。
そのなかで、とくに悪質ともいえるのはリフォームの架空請求です。とくにオーナーが遠方に住んでおり、ほとんど物件に訪れない……そんな場合に、してもいないリフォームの請求をしてくる業者も珍しくありません。抜き打ちで物件に足を運んだら、ちゃんとリフォーム代を支払ったはずなのに、何もされていなかったケースが散見されています。
しかし、それを指摘しても、業者は「〇〇号室と間違えました」と平気で言い訳をします。しかもその業者が地元で力を持っていると、こちらから強く言うことができないケースもあるようです。
他にも、月々のゴミ処理費を管理会社へ支払っていたにもかかわらず、物件に出向いてみると集積所のゴミがあふれて散らかっていた話も聞きます。
すべての管理会社がこのように悪質とは限りませんが、任せっぱなしにした結果、適切なメンテナンスがされておらず、必要なリフォームも行われていなかったトラブルが起きているのです。
柳田 将義
株式会社ピカいち
代表取締役
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