(※写真はイメージです/PIXTA)

シービーアールイー株式会社(CBRE)の「ジャパンオフィスマーケットビュー 2023年第3四半期」で各都市のオールグレード空室率をみると、東京と名古屋では対前期比で上昇、大阪では同低下しました。地方都市に目を向けると、既存ビルの空室消化が進み、全国的に堅調な需要がみられるといいます。本稿では、エリア別のオールグレードの需要動向について詳しくみていきます。

地方都市(札幌・仙台・さいたま・横浜・金沢・京都・神戸・高松・広島・福岡)

全国的に需要は堅調、既存ビルでの空室消化が進む

今期(Q3)のオールグレード空室率は、10都市中4都市で対前期比上昇、2都市で低下、4都市で横ばいとなった。上昇した4都市のうち札幌と横浜は新規供給が主因。

 

札幌では今期の新規供給物件がまとまった空室を残して竣工したため、対前期比+1.2ポイントと大幅に上昇した。それでも未だ2.0%と需給タイトな状況は変わらない。

 

金沢では、昨年竣工したビルへテナントが移転したことによる二次空室の発生が主因となり、同1.0ポイントの上昇となった。

 

しかし、前期に引き続き、全国的に需要は堅調で、空室率の上昇した都市や横ばいとなった都市でも、テナントの動きはみられている。新規開設や拡張移転が散見されたほか、100坪を超えるニーズもやや増えている模様。

 

特にさいたまや神戸では、いずれも空室率が1%台と需給が逼迫しており、2024年の供給も限定されるため、大型区画の確保が難しくなっている。

 

今年に入って空室率が大きく上昇した福岡では、今年上期に竣工した複数の新築ビルで空室消化が進んでいる。

 

既存ビルでは、福岡拠点の撤退や減床などの事例が複数みられた一方、館内増床でテナントが決まるケースも散見され、結果として空室率は対前期比横ばいとなった。

 

前期に引き続き、賃料上昇の都市、半数を超える

今期(Q3)のオールグレード賃料は、10都市中6都市で対前期比上昇、2都市で下落、2 都市で横ばいとなった。今期も前期に引き続き、賃料が上昇した都市が半数を超えた。ただし、いずれの都市も上昇幅は小さく、今後多くの新規供給が控える都市では下落に転じる可能性は高い。

 

さいたまでは、コロナ禍で下げた募集賃料を従前の水準に戻す動きが大型ビルを中心に複数みられ、対前期比+0.4%と3期連続の上昇となった。

 

札幌では、同+0.3%と8期連続の上昇となり、過去最高値を更新し続けている。

 

一方で、賃料が下落した2都市のうち横浜では、みなとみらいの大型空室を抱える複数のビルでテナントを確保するための賃料調整が続いている。

 

出所:CBRE, 03 2023
[図表2]空室率 都市別比較 /[図表3]想定成約資料 都市別比較 出所:CBRE, 03 2023

 

出所:CBRE, 03 2023
[図表4]各都市のマーケット資料 出所:CBRE, 03 2023

 

[図表5]各グレードの基本的な定義
 

 

 

関連記事:BZ空間ジャパンオフィスマーケットビュー 2023年第3四半期

 

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※本記事はシービーアールイー株式会社(CBRE)のジャパンレポート「ジャパンオフィスマーケットビュー 2023年第3四半期」より一部抜粋・再編集したものです。
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