3.営業組織を創る
営業組織とは、誰にどの仕事をしてもらうかを設計するものです。簡単にいえば、営業という仕事をどう分業するかです。よく営業1部、営業2部などとわかれている会社があります。1部と2部、なにが違うのでしょう?と聞いてみると、なんとなく担当エリアでわけている、というようなことがあります。そのわけ方は本当に正しいのでしょうか?
■営業の分業の仕方
営業の分業の仕方には、
・商品でわける
・顧客でわける
・業務でわける
など複数のパターンがあります。これらのうち、自社に最適な分業方法を考え、組織を設計します。
■分業の仕方が営業の成果に大きな影響を与える
たとえば、新規開拓の営業と既存顧客をフォローする営業では、かなり性質が異なります。そのため、BtoC企業の場合、前者はマーケティング部隊、後者は顧客サポート部隊、というように部門がわかれていることがあります。
一方、BtoBの場合、どちらも同じ営業が行っているのが普通です。売れる営業担当者ほどどんどん顧客が増えていくので、フォローすべき既存顧客が増えていきます。そうなると、新規開拓に才能を持っている人でも、その才能を発揮する暇がなくなっていきます。
そのため、新規顧客の開拓と既存顧客のフォローを分業化したほうが効率がいいケースもあります。ただ、これはケースバイケースかもしれません。既存顧客のすぐ近くに新規開拓候補が密集している場合、同時に訪問したほうが効率がいいからです。
いずれにしろ、新規と既存は営業の性質が変わること、そして、営業担当者任せでは新規開拓が行われる時間はどんどんなくなっていく、ということを考慮しておく必要があるでしょう。
■顧客対応外業務をどうするか?
営業の本分は、商品を販売し、顧客が成果を出すのをサポートし、リピートオーダーをもらうことです。本来はその仕事に100%の時間をさければいいのですが、実際には、見積もり作成、請求書作成、社内調整など、付随する業務が発生します。
営業効率が悪い会社では、付随業務が多く、営業の生産性が低くなっています。 これを解決するには、現在行っている顧客対応外業務のうち、本当に必要なモノだけ残す、さらに営業アシスタントや営業支援などのポジションを設け、営業の顧客対応外業務を減らすことです。
■営業マネージャーの仕事を定める
多くの会社では、営業部門の管理職はプレイングマネージャーです。それはそれでいいのですが、多くの場合、プレイのほうは上手くできていても、マネージャーとしての仕事があまりできていません。 マネージャーとして何をすべきかが明確になっていないため、
・部下の提案書や見積書をチェックする
・クレーム対処する
などのような、正直「必要だが、あまり業績につながらないこと」に時間を使っています。
~営業マネージャーの仕事の一例~
営業部門に限らず、マネージャーとしての仕事で大切なのは、部下の余計な仕事を省くことです。営業における部下の余計な仕事とは、「余計な訪問(営業)活動」です。先述したとおり、営業担当者は、放っておくと、自分が訪問しやすいお客様にばっかり訪問します。 これは筆者自身もそうでした。
・いつでも相手にしてくれる人がいる会社
・自分を大切に扱ってくれる会社(お茶が出てくる等)
等に訪問が偏りがちになります。 しかし、こういったお客様が会社として優先すべきお客様とは限らないのです。
そこで、営業マネージャーにとっての大きな仕事のひとつは、「営業先の選定」ということになります。 マーケティング部門がある場合には、マーケティング部門が対象市場を決めるかも知れません。しかし、より具体的に「どこの誰に営業をかけるか」を決めるのは営業マネージャーの仕事といえるでしょう。
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