(写真はイメージです/PIXTA)

10月26日、米商務省の経済分析局(BEA)は23年7-9月期のGDP統計(1次速報値)を公表しました。そこで本稿では、ニッセイ基礎研究所の窪谷浩氏が、BEAによって発表された「GDP統計」から読み解く米国経済の現状について解説します。

「コア指数の低下」が示す米国経済の現状

(物価・名目値)PCE価格のコア指数は前期比、前年同期比ともに低下

7-9月期のGDP価格指数は前期比年率+3.5%(前期:+1.7%)と前期、市場予想(同+2.7%)を上回った。この結果、名目GDP成長率は前期比年率+8.5%(前期:+3.8%)と実質GDP成長率を上回り、前期から伸びが大幅に加速した(図表9)。

 

一方、FRBが物価の指標として注目するPCE価格指数2は、前期比年率+2.9%、前年同期比+3.4%(前期:+2.5%、+3.9%)と前期比は上昇したものの、前年同期比は低下した(図表10)。

 

また、物価の基調を示す食料品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は、前期比年率+2.4%、前年同期比+3.9%(前期:+3.7%、+4.6%)となり、こちらは前期比、前年同期比ともに低下した。このため、物価の基調を示すコア指数の低下はインフレ圧力が緩和していることを示している。

 

 


2 現在、FOMCのメンバーは四半期に一度物価見通しを公表しており、そこで物価の指標として採用されている指数がPCE価格指数とコアPCE価格指数である。見通しは年単位で、各年の10-12月期における前年同期比が公表されている。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年10月30日に公開したレポートを転載したものです。

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