(※写真はイメージです/PIXTA)

誰もが気軽に動画を投稿できるほか、他者の動画にコメントをすることもできるYouTube。匿名でコメントすることも可能なため、ときには誹謗中傷の舞台となってしまうことも。しかし、仮にユーザーが匿名であっても「開示請求」をすることで相手を特定できる可能性があります。では、YouTubeへの開示請求はどのように進めればよいのでしょうか? Authense法律事務所の弁護士が詳しく解説します。

YouTubeでの誹謗中傷コメントで開示請求にかかる期間

YouTubeでの誹謗中傷に対して開示請求をした場合、相手の特定までに要する期間は、おおむね半年程度です。状況によってはこれ以上を要する場合もあるものの、目安として知っておくとよいでしょう。

YouTubeでの誹謗中傷コメントで開示請求をする場合の注意点

YouTubeへの誹謗中傷コメントに対して開示請求をしたい場合には、次の点に注意しましょう。

 

コメントの削除は慎重に行う

YouTubeでは、自分の動画についたコメントを、動画の投稿者側の操作で自由に削除することができます。


特に自分の評価を下げるような嘘の内容をもっともらしく書き込まれた場合などには、削除したいと考えることでしょう。しかし、開示請求を検討しているのであれば、削除するタイミングを慎重に判断しなければなりません。


なぜなら、問題のコメントが消えてしまえば誹謗中傷の証拠が消え、開示請求が困難となるためです。そのため、コメントの削除をするのであればあらかじめスクリーンショットでしっかりと証拠を残し、タイミングについて弁護士へ相談したうえで行う必要があるでしょう。

 

開示請求が必ずしも認められるとは限らない

開示請求をしたからといって、必ずしも開示が認められるとは限りません。上で解説をしたとおり、開示請求が認められるためには、権利侵害の存在が必要であるためです。

 

そのため、開示請求の申立書では、開示が認められると考える法的根拠などについて過不足なく適切に記す必要があります。

 

直接言い返さない

YouTubeのコメントで誹謗中傷をされた場合、相手に対して直接言い返すことはおすすめできません。なぜなら、反論をしたことで誹謗中傷がエスカレートしたり、他のユーザーを巻き込んで炎上状態となったりするおそれがあるためです。


また、言い返した内容によっては開示請求をするにあたって不利となったり、相手から反対に誹謗中傷であるとして訴えられてしまったりするかもしれません。ほかにも、相手が誹謗中傷の投稿を削除してしまう可能性もあるでしょう。

YouTubeへの開示請求を弁護士に相談するメリット

YouTubeで誹謗中傷の被害に遭った場合、開示請求は弁護士へ依頼して行うことをおすすめします。その主な理由は、次のとおりです。

 

開示請求の可否が事前に判断しやすい

開示請求を申し立てたからといって、必ずしも情報の開示が認められるわけではありません。たとえ不快な内容であったとしても権利侵害とまでは言えない書き込みであれば、開示請求を受けることは困難です。

 

しかし、権利侵害に該当するかどうかを自分で判断することは、容易ではないでしょう。
その結果、開示の見込みがほとんどない書き込みについて開示請求を行ってしまい、手間や時間を大きく無駄にすることにもなりかねません。

 

弁護士へ依頼することで、あらかじめその事案で開示請求が認められそうかどうかの見込みを立てやすくなります。

 

開示請求は簡単な手続きではない

開示請求は、決して簡単な手続きではありません。開示請求の申立書には権利侵害があったことを法令の根拠などを示しつつ、書面で明確に説明することが求められます。


穴埋め形式で、住所や氏名などのみを記載すればよいというものではありません。なお、申立書の様式は裁判所のホームページに掲載されているため、参考までに確認しておくとよいでしょう※2

 

開示請求は時間との勝負

上でも解説をしたとおり、開示請求は時間との勝負であると言っても過言ではありません。自分で手続きをしようとして情報を調べたり時間をかけて申立書を作成したりしていては、ログの保存期間内に手続きが間に合わなくなる可能性があります。


自分では難しいことに気付いてから弁護士へ相談しても、投稿からかなりの時間が経っていれば、対応が困難となるかもしれません。

 

開示請求の可能性を高めるためには、やはりできるだけ早期に弁護士へ相談することをおすすめします。

再発防止のためにも法的措置を検討する

YouTubeの普及により、誰もが気軽に動画を配信することが可能になりましたYouTubeから誕生した有名人も、いまや数多く存在します。

 

その反面、YouTubeの閲覧数が増えると、不快なコメントがされるかもしれません。なかには、誹謗中傷をするユーザーも存在します。


そのようなコメントの多くは匿名ユーザーによるものであり、被害に遭った人は不安に感じることでしょう。しかし、匿名ユーザーによる書き込みであっても、開示請求をすることで、相手を特定することが可能です。相手を特定したうえで損害賠償請求など厳しい法的措置をとることで、再発防止にもつながるでしょう。

 

 

 

Authense 法律事務所

 

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