(※写真はイメージです/PIXTA)

5ちゃんねるなどの匿名で投稿ができるインターネット掲示板は、誹謗中傷の巣窟になりがちです。このような「匿名」でなされた誹謗中傷に対して、発信者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うにはどうすればいいのでしょうか? Authense法律事務所の弁護士が詳しく解説します。

5ちゃんねるの投稿者に発信者情報開示請求はできる?

5ちゃんねるは、しばしば誹謗中傷の舞台となってしまいます。また、5ちゃんねるでの誹謗中傷は、匿名でなされることがほとんどです。

 

しかし、発信者情報開示請求(以下、本記事では単に「開示請求」といいます)をして開示が認められれば、相手の身元を特定することができます。開示請求とは、相手の情報を開示するよう、5ちゃんねるや相手が接続に使ったプロバイダに対して請求する手続きです。

 

とはいえ、5ちゃんねるに直接裁判外で請求をしても、任意での開示に応じてもらえる可能性はほとんどありません。そこで、一般的には裁判上で開示請求をすることになります。

 

では、5ちゃんねるの投稿者に対して開示請求はできるのでしょうか? 順を追って解説します。

 

開示請求が認められるためには「権利侵害」が必要

開示請求が認められるためには、開示請求者の権利が侵害されていることが必要です。いくら不快な内容であったとしても、権利侵害があったとまではいえない場合には、開示を受けることはできません。

 

そのため、開示請求をする前に開示の見込みをある程度立てておく必要があるでしょう。

 

5ちゃんねるへの投稿に開示請求が難しいケース

次の場合には、開示請求を受けることは困難です。しかし、開示が認められそうかどうか自分で判断することは容易ではありません。

 

そのため、開示請求を希望する場合にはまず弁護士へ相談し、開示の見込みについてアドバイスを受けるとよいでしょう。

 

■権利侵害と評価できない場合

仮に不快な投稿がなされたとしても、権利侵害とまではいえない内容であれば開示請求は困難です。なぜなら、先ほども解説したように、開示請求が認められるためには権利侵害が必要であるためです。

 

そのため、開示請求をするにあたっては、権利侵害の証拠を示す必要があります。

 

■投稿から時間が経ちすぎている場合

たとえ権利侵害が明白なであったとしても、投稿からの時間が経ちすぎていれば、開示請求は困難です。なぜなら、投稿のログは永久に保存されるわけではなく、一定期間が経過すると消えてしまうためです。

 

そもそも5ちゃんねるや接続プロバイダが対象の情報を持っていなければ、開示を受けようがありません。ログの保存期間はプロバイダによって異なりますが、おおむね3ヵ月から6ヵ月程度とされていることが多いでしょう。そのため、誹謗中傷への開示請求はできるだけ早期にとりかかることをおすすめします。

 

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