空室率80%の木造アパートを購入したワケ
ここで私の体験談をお伝えしたいと思います。2014年、私自身が現地調査に行ってきた木造アパートの話です。場所は、神奈川県川崎市です。川崎駅と国立駅を結ぶJR南武線久地駅から徒歩6分の物件で、南武線の線路沿いの物件でした。
インターネットの不動産情報サイトで物件情報を見つけ、問い合わせたところ、少し魅力を感じ、実際に視察へ足を運びました。
まずは、駅視察、南武線「久地駅」。何もない、実に閑散としている駅でした。24時間営業のスーパーもコンビニもありません。ネイルサロンの影形もありません(笑)。ちなみにウィキペディアで「久地駅」を調べてみると、1日の乗降客数が3万人を切っていました(汗)。
次に、実際に1人で物件まで歩いていきました。物件周辺の環境はどうなのか? 嫌悪施設はないか? 歩き進むと、幹線道路があるは、高速道路が走っているわ、閑静な住宅街とは程遠い街並みでした(笑)。
そして建物視察。昭和53年築、大規模修繕の記録もない木造アパートです。外壁は剥がれ落ち、廊下にはゴミが散乱。階段のコンクリートもひびが入っています。「昭和のボロアパート」という称号を与えたいです(笑)。
最後のチェック項目、ポストです。マイソクによると、このアパートは1階7室、2階7室の計14室。現在空室は3室。14室中の11室が入居している、はずでした。ポストを見て目を疑いました。14個あるポストのうち10ポストにガムテープが貼られていました。つまり、14室中、空室が10室、4室に入居者がいると推察できる物件だったのです。
結論から申し上げます。私はこの「昭和のボロアパート」を購入いたしました。「え? なんで?」と思われるかもしれません。
この後、隣接するアパート、近隣のマンション全てのポストを見て回りました。いずれの物件の入居率も、90%から100%の成績だったのです。
「何故だ? 線路沿い、古いというだけで、そんなに悪い成績になるだろうか?」
私は原因を追究いたしました。すると地元の客付け不動産会社から貴重な情報を得ることができたのです。「あのアパート、ずっと空室になっているけど、ずっと募集もされてないよ」という話。
つまり、前のオーナー様が募集活動を全くやらず、空室になってもほったらかし状態だったのです。ということは、安く買えるということが前提にはなりますが、「この物件を手に入れてリフォームしてしっかり入居者募集をすれば、周りの物件のように90〜100%の入居率を獲得することができる」という仮説が成り立ちました。
そこで私は指値を入れた買付証明書を入れ、ほぼ希望額でこの物件を手にすることができました。所有権を手にして半年後、不動産管理会社、客付け会社のおかげで見事満室物件に生まれ変えさせることができました。物件を最初に視察する瞬間から、あなたの不動産賃貸業の仕事はスタートしているといっても過言ではありませんよ。
※本記事は『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』(ごきげんビジネス出版)一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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