宝くじが「貧乏人に課せられる税金」と揶揄される理由
ちなみに宝くじのテラ銭は、さらにその割合が高いです。
宝くじ公式サイトによると、2021年の当せん金としての還元率は46.2%、つまり半分以下です。あとの114.9%は印刷経費や手数料などの経費として使われ、37.5%は公共事業等、1.4%は社会貢献広報費として使われているのです。
これでは、理屈からいって儲かるはずがないと考えるのが合理的でしょう。
そして、たとえギャンブルで勝ったとしても多額の税金で利益の多くが失われます。
競馬などで得た利益に対しては、所得税と住民税を合わせて最大で55%が税金でもっていかれる計算です。
宝くじの当せん金は「当せん金付証票法」という法律(通称・宝くじ法)によって非課税ですが、そもそも当たる確率はギャンブルより低いとも考えられます。これが「宝くじは貧乏人に課せられる税金」と揶揄されるゆえんです。
このように比較をすると、富裕層がギャンブルに手を出さず、株式投資などにお金を投じている理由がわかるのではないでしょうか。趣味レベルであればまだしも、資産を築く目的からすると、ギャンブルは明らかに避けるべきものです。
私もギャンブルは一切しません。やってみると楽しいかもしれませんが、どれくらいお金を失うかが読めないと怖いので、やる気にならないのです。きっと性格的にギャンブルに向いていないのだと思います。
国税職員時代にパチンコが好きな先輩がいましたが、富裕層にならってのことか、自分で中古のパチンコ台を買って自宅で楽しんでいたそうです。あれはギャンブルではなく、純粋な趣味といえるでしょう。
ギャンブルでお金を失っても証拠を残す
「富裕層はギャンブルをしない」というのが私の基本的な認識ですが、もちろん例外もあります。
あるとき、相続税調査に出かけた先輩が、午後の早い時間帯に税務署に帰ってきたことがありました。相続税調査は基本的に午前も午後も1日たっぷり時間をかけて行うので、気になってその先輩に「どうしたんですか?」と尋ねたところ、「今回はハズレだった」といいます。
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