COOの役職・役割
先ほど述べたように、COOの役割は、CEOが描く企業の全体像に基づき決定した方針に従い、日々の業務プロセスの効率を確認し、従業員が適切に業務を遂行できるように各部門を総括することです。
たとえば、CEOが新しい商品、あるいはサービスに関するアイデアを打ち出した際には、COOはその実現に必要な人材やプロセスを検討し、CFOとともに必要なコストなどを算定したうえで、各業務の責任者に指示を出すことになります。
COOの成功例:Facebookに2兆円もの利益をもたらした「シェリル・サンドバーグ」
シェリル・サンドバーグはハーバード大学、ハーバード・ビジネス・スクールを卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーで経営コンサルタントとして勤務しました。また、ビル・クリントン政権時代には、発展途上国の負債を免除する国際的な業務にも携わります。
その後、Googleで広告と出版製品のオンラインセールスの責任者を経て、2008年3月、FacebookにCOOとして入社します。COOとしてのサンドバーグは、会社のカルチャーを持続可能なものへと変え、広告ビジネスを大成功へと導き、実に2兆円もの利益をFacebookにもたらしたと言われています。
COOはなぜ組織に必要なのか?
アメリカ発祥のCOOという役職がなぜ日本でもこれほど浸透し、注目されるようになってきたのでしょうか? ここではCOOの必要性を軸にその理由を3つ挙げていきます。
1.CEOの負担軽減
移り変わりが早く、予測困難な時代のなかで、いち早い経営判断が求められるトップの皆さんの負担は相当なものだと思います。
そのため、経営戦略の立案者であるCEOと、それを執行するCOOという2人の責任者を配置することで、責任を二分することが可能になります。それによって、それぞれが自身の専門分野に集中して打ち込むことができるようになるわけです。
実際には、CEOとCOOを経営者自身が兼任する会社もありますが、事業規模がある程度の大きさになった段階で、専属のCEOとCOOを配置することを検討すべきです。
CEOの長期的な視野による経営方針をCOOが理解して従うことで、取り扱う商品やサービスが生み出す利益を短期的に最大化できるように業務を遂行していくのです。
2.なんでも屋
これは多くの名物COOが口にする言葉なのですが、手薄な部署をフォローする「なんでも屋」という役回りも、COOにはあるのです。企業のリソースを最適化する存在とも言え、特に創業間もないベンチャーや中小企業に多く見られる特徴です。
COOの役割は戦略を現場の業務に落とし込み、執行の監督を務めることですから、上手く回っていない部署があれば、自ら足を運び指揮を取る必要も出てくるわけです。
「経営幹部」という呼び名であるものの、時には現場に飛び込んで実際に手を動かすこともCOOが求められていることの1つだと言えます。
3.CEOを補完するバランサー
どんなに優秀な経営者であっても、すべての分野に精通し、それを完璧にこなすのは不可能です。そのため、成功した企業の多くが経営者とタイプが異なる人材をCOOに配置しています。
代表的なものが、先ほどご紹介したFacebookのケースです。マーク・ザッカーバーグは優秀なコンテンツ制作者・プログラマーでしたが、対外的な活動を強化するためにシェリル・サンドバーグという経験者を迎え入れ、より大きな成功に導きました。
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