COOに求められるスキル
京セラを世界的な企業に成長させた、稲盛和夫さんは「自分の分身が欲しい」ということで、経営幹部の育成にも力を注ぎました。その際、リーダーに求める資質を「長たる者の8つの資質」というものにまとめました。
- 自分の担当した部門に対し、夢、理想を持った人
- 理想を実現させるための強い信念、勇気、情熱を持った人
- 自分の担当する職務を達成するために、必要なそれぞれの職務を分解しまとめ上げられる人
- 職務達成のため、細心の神経を持ち「ビビる人」
- 職務達成のため、自分の分身を職務別に配置できる人
- 自分の分身の信頼を常に確認する人
- 部下の信頼を得られる人
- 命題に対し、チャレンジする人
このように、経営幹部は「自分たちはどこを目指すべきか」という理想を掲げて、現実とのギャップを発見できなくてはいけません。自ら、自分たちが解決すべき課題を発見できる人が幹部にふさわしい人材であるということです。
このほか、特にCOOに必要な資質として次の4つを挙げておきます。
(1)忍耐心
COOの業務は実質的に企業のナンバー2となる仕事です。つまり、会社の顔であるCEOを舞台裏から支える仕事になります。自分が表舞台に立つのではなく、辛い仕事でも我慢してやりきる能力が必要となります。
先ほども述べたように、COOは事業の実質的な管理・運営を行うわけですから、経営幹部の中でもかなり現場に近い、ある種の「何でも屋」的な立ち位置にあると言えます。
(2)理解力
COOはCEOの掲げる理想や理念を具現化する役割を担っています。このため、CEOの意図を正確につかみ、その変化にも対応することが欠かせません。
CEOが望むことを把握し、その実現のために必要なことが分かっていなければ、事業を成功させることはできないからです。また、会社の現状やリソース、あるいは障害となる要素を常に理解しておく必要もあります。
(3)実行力
どんなにCEOが良いアイデアを出したとしても、それが実現化され利益を生み出さなければ、事業の継続は望めません。事業を成功に導くために、人材を適切に配置し、マネジメントする能力が必要になります。財務面を担うCFOと共にアイデアの実現に向けてチャレンジしていく、決断力も求められます。
(4)統率力
事業を継続させるためには、人材を適切にコントロールし、率いる能力が不可欠です。自分が会社のナンバー2であるということを意識し、従業員たちに今何をすべきかを言葉や行動で示す必要があります。
COO以外の経営幹部の役職
経営幹部には、ここまでご説明したCOO、CFO意外にも、マーケティングキャンペーンを指揮し、予算を含む社内のマーケティング部門全体を管理する「最高マーケティング責任者(CMO)」や、企業の技術に関する部署を管理する「最高技術責任者(CTO)」があります。
そのほか、会社規模や業種により、最高情報責任者(CIO)、最高人事責任者(CHRO)、最高セキュリティ責任者(CSO)、最高法務責任者(CLO)などを置く企業もあります。
清水 直樹
仕組み経営株式会社
代表取締役
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