(※写真はイメージです/PIXTA)

「部下1人1人と丁寧に関わる上司」というと、“いい上司”のように思えるかもしれません。しかし実際には、組織に思わぬ弊害を生み出す存在になってしまう可能性がある、と、自身も社員数50名の新聞販売店を23年間経営した経験を持ち、多くの企業の経営支援に携わる米澤晋也氏は言います。本稿では、米澤氏が、なぜこのような事態が起きてしまうのか、部下とはどのような向き合い方をすれば良いのかについて解説します。

3.作業場のホワイトボードに、誤配達の累計件数を表示します。個々の成績を表示しなかったのは、開示する情報が“誤配達”なだけに、配慮したためです。今にして思うと、“誤配達”というネガティブな情報ではなく、「誤配達ゼロの連続日数」といった前向きなものにすれば良かったと思っています。

 

誤配達をした部下への指導は、上司ではなく仲間が行います。2~5人くらいの小グループをつくると教え合いは活性化します。この時の「良い先生」とは、人間的な相性がよく、教わる人よりも一歩先を行っていて、できない人の気持が分かる人です。適任者は、大抵、上司ではありません。

 

4.社内報には、頑張って実践している部下の活躍を載せました。直属の上司にインタビューをし、部下の実践を聞き出し、感謝の気持ちを添えて社内報に載せるのです。

 

実践事例は、他の部下の学びになるだけではなく、ヤル気も刺激します。当事者の配達員は、直属の上司が、自分の良い部分を見てくれたことが嬉しく、両者の関係が良くなるという効果もあります。

 

5.1年に2~3回、全員が集まり、これまでの実践を振り返ります。成果が出た事例を分析し、成功要因を抽出し、個々が明日からの実践アイデアを出します。

 

こうした実践の結果、ひと月あたりの誤配達は5件ほどに減りました。仲間同士の関係が強化されたことで、離職が減るという副次的な効果もありました。

 

私も現場上司も、1人1人とは深く関わってはいません。常に集団に課題を与え、自分たちで解決することを促したのです。

 

正解のない時代に、知恵にあふれる経営をしたい。スピーディーな意思決定ができるチームにしたい。リーダーとして、自分がやるべき仕事に集中したい……。

 

こうした望みが、集団の力を借りるチームマネジメントで可能になるのです。

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