日本が直面している「後継者不足の現実」
後継者不足が深刻化しています。
東京商工リサーチの調査によると、2024年に後継者不在に起因する倒産が過去最多を記録しました。また、経営者の平均年齢は63.7歳と高齢化が進んでおり、今後も後継者不在倒産の増加が予測されています。
この状況を受け、M&Aの仲介サービスが活性化しており、事業を第三者に売却する動きも増えています。M&Aが成立する企業は収益性が高いケースが多いものの、それでも後継者不足が深刻なのはなぜでしょうか。
本稿では、後継者不足の要因を整理し、経済的視点から事業承継の課題と対策を考察します。
後継者不足の背景と経済的要因
後継者不足の主な原因として、以下の点が指摘されています。
少子化の進行:人口減少により、潜在的な後継者候補そのものが少なくなっている。
経営環境の変化に対する先行き不安:デジタル化やグローバル競争の激化により、事業の継続にリスクを感じるケースが増加。
親族に事業承継意欲がない:経営の負担やリスクを考え、次世代が事業を継ぐことを敬遠する傾向。
事業承継の準備不足:中小企業では計画的な事業承継対策が進んでおらず、気づいたときには手遅れになっている。
日本の中小企業では、親子間での事業承継が圧倒的に多いので、跡継ぎである子がいなければ事業承継が難しくなるのは当然です。しかし、子が1人もいない経営者は少ないので、それ以外の3つの原因に目を向けるべきでしょう。
それらをひとことでまとめると「先行きに不安を感じ、承継を躊躇しているうちに対策が遅れてしまった」ということになります。
不安の原因は先行きが見えないことばかりではなく、経営者としての資質に自信が持てないことも挙げられます。
特に「経営環境の変化に対する不安」は重要な視点です。日本経済の低成長、労働人口の減少、デジタルシフトの遅れなど、現在の中小企業が直面する課題は多岐にわたります。こうした状況下で、後継者が「継ぐべきかどうか」を慎重に考えるのは当然の流れと言えるでしょう。
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