株式投資と「プロ野球の球団経営」は似ている…“人気株だらけのポートフォリオ”では勝てない理由【マクロストラテジストが解説】

株式投資と「プロ野球の球団経営」は似ている…“人気株だらけのポートフォリオ”では勝てない理由【マクロストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資におけるポートフォリオづくりとプロ野球の球団運営は似ていると、フィデリティ・インスティテュートの首席研究員・重見吉徳マクロストラテジストはいいます。来年1月から始まる新NISAに向けて、どのようなポートフォリオを組むべきなのでしょうか。本記事では、野球におけるスターティング・オーダーにたとえながら、長期的に株式投資を続けるコツを解説します。

長期の株式投資には「将来を担う若手の獲得・育成」も重要

みなさんのポートフォリオは「いまを重視するポートフォリオ」に偏重していないでしょうか。図表1のようなスターティング・オーダーをつくることで安堵してはいないでしょうか。

 

出所:フィデリティ・インスティテュート 注:あらゆる記述やチャートは、例示目的もしくは過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
[図表1](現時点の想像の)「人気投票」でスターティング・オーダーを組むなら※図表はイメージであり、推奨のポートフォリオではありませんただし、特に2-4番を打つような人気の市場は割高の可能性も
出所:フィデリティ・インスティテュート
注:あらゆる記述やチャートは、例示目的もしくは過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。

 

図表1はあくまで最近の「売れ筋」から作成した仮想的なものであり、なおかつ、これらの9セクター/スタイル/資産を均等に持つことも意味しませんが、たとえば、1番打者は配当をコツコツ積み上げる高配当株式、2番は大振りせず、失敗が少ない連続増配株式、3番はしっかり返すクオリティ株式、4番は長打力と安定感の大型テクノロジー株式…といった具合です。

 

しかし、「高配当である」、「連続増配である」、「クオリティである(≒キャッシュフローが潤沢でバランスシートが強固である)」…というわけですから、これらの企業の多くは「中堅・ベテラン」の大企業です。

 

新NISAでの資産運用を視野に、株式投資が30-40年の長期間におよぶ場合や、15-20年の中期間でも「成長」を取ることを目指す場合には、米メジャー・リーグの球団を運営するのと同様に、現在のレギュラー陣をそろえるだけでなく、10年後や20年後にスタメンに定着しそうな「有望な若手を探して育てる」ことも重要でしょう。

 

株式市場でいえば、中型株式や小型株式のなかにそうした企業は潜んでいます。いまでいえば、『マグニフィセント7』(→日米映画が名前の由来)といわれるアップルやアマゾンなどの時価総額上位7銘柄もかつては中小企業でした。

 

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【参考文献】
・Ray Dalio (2018,2022) “Principles for Navigating Big Debt Crises”, Bridgewater Associates, Avid Reader Press / Simon & Schuster

・西野智彦 (2019) 『平成金融史-バブル崩壊からアベノミクスまで』中公新書、中央公論社

・リチャード・クー (2013) 『バランスシート不況下の世界経済』徳間書店

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