ボブ・ファレルの〈マーケットの10のルール〉で考える、マーケットの今後【マクロストラテジストが解説】

ボブ・ファレルの〈マーケットの10のルール〉で考える、マーケットの今後【マクロストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

※本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』から転載したものです。

ボブ・ファレル【マーケットの10のルール】

次に示すとおり、金融市場には、かつて米メリルリンチのストラテジストとして活躍したレジェンド、ボブ・ファレル氏が提示した『マーケットの10のルール』があります。

 

【マーケットの10のルール】

  1. マーケットは、時を経て、平均に回帰する。
  2. 一方向への行き過ぎや過剰は、逆方向への行き過ぎや過剰を生む。
  3. マーケットに「今回は違う」はない。行き過ぎや過剰は永続しない。
    ◆マーケットに「新しいもの」はない。なぜなら、マーケットの歴史は、人類の歴史と同じくらい古いためである。
    ◆マーケットで今日起きていることは、どんなことでも、過去に起きたことであり、今後も起きることである。
  4. 指数的な上昇や下落をみせるマーケットは、思ったよりも長続きする。しかし、それが「横ばい」で終わることはない。
  5. 大衆は、ほとんどの場合「高値掴み」する。安値ではほとんど拾えない。
  6. 「恐れ」や「強欲」、それらに基づく判断は、長期の視点に立つ判断に勝りがちである。
  7. マーケットは、全体が上がるときが最も強固であり、一部しか上がらなくなったときが最も脆弱である。
  8. 弱気相場には、3つの局面がある。すなわち、急落、短期的な反発、ファンダメンタルズに沿った長期の下落局面、の3つである。
  9. マーケットの専門家が異口同音に同じことを言いだすときは、別のことが生じるときである。
  10. 強気相場は、弱気相場よりも楽しいものである。

 

みなさんもこれらのうちのいくつかを経験されていると想像します。

 

ここまでは「ルール4→7→9&3」ときている

ここまでの相場もパターンどおりで、『マーケットの10のルール』の多くの項目をなぞっているようにみえます。

 

まずは、【ルール4】の「指数的な上昇や下落をみせるマーケットは、思ったよりも長続きする。しかし、それが「横ばい」で終わることはない」が挙げられます。この前者に沿うように、米国大型成長株式の上昇や反発が続いてきました。

 

[図表1]ナスダック100指数
[図表1]ナスダック100指数

 

そして、今年これまでの上昇は(アップルやアマゾンなど)『マグニフィセント7』と呼ばれる時価総額上位7企業に偏っています。

 

すなわち、【ルール7】の「マーケットは、全体が上がるときが最も強固であり、一部しか上がらなくなったときが最も脆弱である」の「脆弱な状態」が生じているようにみえます(→過去数年において、大型テクノロジー企業は何度か似た状況を迎えましたが、そのたび前記の【ルール4】に従うかのように切り抜けてきました)。

 

[図表2]S&P500の年初来の時価総額増加に占める『マグニフィセント・セブン』の割合と、米国海部式司法の年初来上昇率(サイズ×スタイル別)
[図表2]S&P500の年初来の時価総額増加に占める『マグニフィセント・セブン』の割合と、米国海部式司法の年初来上昇率(サイズ×スタイル別)

 

また、現在は「AI・人工知能のブーム」が生じています。すなわち、【ルール9】の「マーケットの専門家が異口同音に同じことを言い出すときは、別のことが生じるときである」や【ルール3】の「マーケットに「今回は違う」はない。行き過ぎや過剰は永続しない」を考慮すると、たとえ「AIが世の中を変える」としても、その経済的な影響が過剰に膨らんで予測されている恐れにも警戒しなければなりません。

 

[図表3]エヌビディアとシスコシステムズの株価・キャッシュフロー倍率
[図表3]エヌビディアとシスコシステムズの株価・キャッシュフロー倍率

 

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【参考文献】
・Ray Dalio (2018,2022) “Principles for Navigating Big Debt Crises”, Bridgewater Associates, Avid Reader Press / Simon & Schuster

・西野智彦 (2019) 『平成金融史-バブル崩壊からアベノミクスまで』中公新書、中央公論社

・リチャード・クー (2013) 『バランスシート不況下の世界経済』徳間書店

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