今週の注目点…CPIなど米インフレ指標の発表
今週は、CPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)といった米国のインフレ指標の発表が予定されています。また、小売売上高など注目度の高い米景気指標の発表も続きます。今のところの主な予想値は以下の通りです。
- 米8月CPI(前年比)……前回3.2%、予想3.6%
- 同コア指数(前年比)……前回4.7%、予想4.3%
- 米8月PPI(前年比)……前回0.8%、予想1.5%
- 同コア指数(前年比)……前回2.4%、予想2.2%
- 米8月小売売上高(前月比)……前回0.7%、予想0.2%
CPI、PPIとも、総合指数は前年比上昇率が前回より上昇、一方で変動の大きいエネルギーなどを除いたコア指数は前年比上昇率が前回より下落するとの予想になっているのは、最近にかけての原油価格上昇などの影響と考えられます。
米景気は、足元である7~9月期のGDP前期比年率予想について、定評の高いGDP予測モデルであるアトランタ連銀、GDPナウが8日更新したところでも5.6%といった具合に記録的に高い水準を見込まれる状況が続いています。
その意味では、景気の過熱を抑制するべく利上げはまだ続く可能性がありそうですが、その割に9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では利上げ見送りとの見方が強くなっているようです。これは、インフレ改善が続いているためと考えられますが、今週の米国のインフレ指標や景気指標の結果は、9月FOMC見通しを決める上で重要な役割を果たすことになりそうです。
米ドル/円の行方は、かなりの割合で日米金利差、とくに米金利の動きで決まってきました(図表3参照)。
その意味では、今週の米ドル/円の行方も基本的には米金利動向次第となるでしょう。そして「米金利上昇=米ドル高・円安」が続いた場合は、円安阻止介入再開の可能性も高まりそうです。
以上を踏まえると、今週の米ドル/円は米ドル高値波乱含みの展開で、145~150円中心での展開を想定したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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