9月19日~25日の「FX投資戦略」ポイント
〈ポイント〉
・先週の米ドル/円は、日銀総裁インタビューを受けて緩和見直し思惑から円高への動きも見られたが、一時的にとどまった。
・今週はFOMC、日銀会合など注目イベントが相次ぐ。さらなる米ドル高・円安となった場合は、円安阻止介入との攻防が再開する可能性もありそう。
・今週の米ドル/円は145~150円中心での展開を予想。
先週の振り返り…緩和見直し思惑の円高は一時的
先週の米ドル/円は、週明けは大きく下落し、一時146円割れとなりました。これは、前週末に報道された日銀総裁のインタビューを受けて、金融緩和の見直し思惑から日本の金利が上昇したことに反応したということでしょう(図表1参照)。
ただし、この円高は一時的にとどまりました。なぜなのでしょうか。
円金利上昇に反応した円高が一時的にとどまり、すぐに円安へ反転したのは少し前にも経験したことでした。7月末、日銀会合の政策修正を受けて円金利が大きく上昇した局面です。
ここでも円高は一時的にとどまり、その後は最近にかけての円安が展開するところとなりました(図表2参照)。
なぜ、円金利上昇でも円安になったか。それは、米金利も上昇したことから、金利差では円高示唆が限られ、むしろ米ドル高の可能性が高まったためです。とても重要なのは、10年債利回りなどの長期金利は、グローバリーゼーション時代になり連動性が高くなったことから、円金利だけ上昇といった現象は限られるということです(図表3参照)。
日米の10年債利回りが連動すると、金利水準は米金利が高いため、上昇局面では米金利がより大きく上昇し、低下局面では米金利がより大きく低下する可能性が高まります。この結果、金利差は基本的には米金利で決まるため、円金利の米ドル/円への影響は一時的、限定的にとどまりやすいでしょう。
そういったことで、円金利上昇に反応した円高はすぐに一巡し、週末にかけて米ドル/円は148円近くまで米ドル高・円安に戻すところとなりました。
ただこのような米ドル高・円安は、日米金利差からはややかい離が目立ち始めている点が気になります(図表4参照)。
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