「お客様目線」 と 「顧客満足」 はまったく異なる
「お客様目線」と「顧客満足」は、何が違うのか?
私はこれまで販促コンサルタントとして、個人経営の小さなお店から大手上場企業まで、さまざまな規模や業種のコンサルティングに取り組み、おかげさまで数多くの成功を収めることができました。
その秘訣こそ、どんな業界や規模であっても重要な「お客様目線」を基盤にしたそのコンサルティングを実践することだと、私は思っています。この方法を理解すれば、どんなお店や会社でも成功へ一歩近づくことができます。
というのも、 「顧客満足」という言葉で私たちが要求されてきたのは、結局は、お客様を喜ばせるようなコミュニケーションをし、お客様を感動させるサービスを実行する、パフォーマンスの技術でした。つまりは、“テクニック論”ということです。それに成功したところは、確かに成果を出してきました。
優れた営業担当者がお客様を対話で喜ばせたり、サプライズのようなサービスでお客様をビックリさせたり、社員が一丸となってお客様の望みを実現させたり……。テーマパーク、一流ホテル、量販店、人気の居酒屋さんなどなど、優れたサービスの数々を、あなたも雑誌や本で読んだり、自分の五感を通して体験してきたでしょう。
ただ、こうした「顧客満足」には問題もあります。その第一は、 「できる人にしかできない」ということです。“コミュニケーションで売る”というのは、その最たるものです。お客様を上手に喜ばせ、望んでいるニーズを探り出していく……。正直、それができる人は、ノウハウを学ぶ以前に、周りの人を気遣うパフォーマンスで人気者になっています。
要するにこれらは本当のところ、“センス”が大半なのです。普通の人が真似しようとしたって、簡単にできるわけがありません。
「お客様を感動させよう!」
そりゃあそうしたいのですが、なかなか簡単にはできない。それを人見知りな人にも強要してきたのが、今までの「顧客満足」というものでした。さらに、もう1つの問題は、「お客様は結局、飽きてしまう」ということです。
たとえばお客様が喜ぶようなサービスを、サプライズで仕掛けてあげる。ちょっとしたプレゼントがあったりとか、料理にハートマークを描いてみたりとか。最初に見たお客様は、 「なんてすごいお店なんだ!」と感動します。
でも、2回目からはどうか? すぐにお客様にとって、「それが当然」になってしまうわけです。最初のころの感動はもうお客様にない。「この前もやってくれましたね」なんて、すでにサービスに麻痺してしまっているわけです。
むろん、その都度、その都度、お客様の期待値を超えるサービスを提供していけるような、優れた企業やお店も世には存在するのでしょう。でも、そんなことは一部の限られたところにしかできない。だから「顧客満足」で評判になった店も、時代とともに多くは忘れ去られていき、現代に至っているのです。
しかし、私が提唱する「お客様目線」を実行するのは、これまでの「顧客満足」とは根本的に違います。
それは、お客様に聞いて、それをやってあげるだけのこと。パフォーマンスやテクニックでなく、単にお客様に質問し、その答えをどう普段の仕事にどう反映させていくかの「仕組み」なのです。
意外とその「仕組み」は、簡単につくり上げることができます。これまでオススメしてきたのは『 「A4」1枚アンケート』というものですが、ほかにもお客様にインタビューするような流れをつくったり、スマホなどを使ったり、今はさまざまな方法が考えられます。本書で述べていく「お客様目線」は、難しいことでもなんでもない。ただ導入すれば、すぐ実行できる簡単なことばかりです。本書を通し、あなたの可能性を最大限に引き出すサポートができれば幸いです。
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