(※写真はイメージです/PIXTA)

アパレル不振、少子化、コロナ不況といった厳しい状況の中、好調な売り上げを出してきた子供服のチェーン店「西松屋」。その成功理由は、多くの企業ができていない「お客様目線」を的確に捉えられていることにある、と販促コンサルタントである岡本達彦氏は言います。本稿は、岡本氏の著書『お客様目線のつくりかた:顧客視点は仕組みで生み出せる』(悟空出版)より、一部抜粋して紹介します。

「お客様目線」 と 「顧客満足」 はまったく異なる

「お客様目線」と「顧客満足」は、何が違うのか?

 

私はこれまで販促コンサルタントとして、個人経営の小さなお店から大手上場企業まで、さまざまな規模や業種のコンサルティングに取り組み、おかげさまで数多くの成功を収めることができました。

 

その秘訣こそ、どんな業界や規模であっても重要な「お客様目線」を基盤にしたそのコンサルティングを実践することだと、私は思っています。この方法を理解すれば、どんなお店や会社でも成功へ一歩近づくことができます。

 

というのも、 「顧客満足」という言葉で私たちが要求されてきたのは、結局は、お客様を喜ばせるようなコミュニケーションをし、お客様を感動させるサービスを実行する、パフォーマンスの技術でした。つまりは、“テクニック論”ということです。それに成功したところは、確かに成果を出してきました。

 

優れた営業担当者がお客様を対話で喜ばせたり、サプライズのようなサービスでお客様をビックリさせたり、社員が一丸となってお客様の望みを実現させたり……。テーマパーク、一流ホテル、量販店、人気の居酒屋さんなどなど、優れたサービスの数々を、あなたも雑誌や本で読んだり、自分の五感を通して体験してきたでしょう。

 

ただ、こうした「顧客満足」には問題もあります。その第一は、 「できる人にしかできない」ということです。“コミュニケーションで売る”というのは、その最たるものです。お客様を上手に喜ばせ、望んでいるニーズを探り出していく……。正直、それができる人は、ノウハウを学ぶ以前に、周りの人を気遣うパフォーマンスで人気者になっています。

 

要するにこれらは本当のところ、“センス”が大半なのです。普通の人が真似しようとしたって、簡単にできるわけがありません。

 

「お客様を感動させよう!」

 

そりゃあそうしたいのですが、なかなか簡単にはできない。それを人見知りな人にも強要してきたのが、今までの「顧客満足」というものでした。さらに、もう1つの問題は、「お客様は結局、飽きてしまう」ということです。

 

たとえばお客様が喜ぶようなサービスを、サプライズで仕掛けてあげる。ちょっとしたプレゼントがあったりとか、料理にハートマークを描いてみたりとか。最初に見たお客様は、 「なんてすごいお店なんだ!」と感動します。

 

でも、2回目からはどうか? すぐにお客様にとって、「それが当然」になってしまうわけです。最初のころの感動はもうお客様にない。「この前もやってくれましたね」なんて、すでにサービスに麻痺してしまっているわけです。

 

むろん、その都度、その都度、お客様の期待値を超えるサービスを提供していけるような、優れた企業やお店も世には存在するのでしょう。でも、そんなことは一部の限られたところにしかできない。だから「顧客満足」で評判になった店も、時代とともに多くは忘れ去られていき、現代に至っているのです。

 

しかし、私が提唱する「お客様目線」を実行するのは、これまでの「顧客満足」とは根本的に違います。

 

それは、お客様に聞いて、それをやってあげるだけのこと。パフォーマンスやテクニックでなく、単にお客様に質問し、その答えをどう普段の仕事にどう反映させていくかの「仕組み」なのです。

 

意外とその「仕組み」は、簡単につくり上げることができます。これまでオススメしてきたのは『 「A4」1枚アンケート』というものですが、ほかにもお客様にインタビューするような流れをつくったり、スマホなどを使ったり、今はさまざまな方法が考えられます。本書で述べていく「お客様目線」は、難しいことでもなんでもない。ただ導入すれば、すぐ実行できる簡単なことばかりです。本書を通し、あなたの可能性を最大限に引き出すサポートができれば幸いです。

 

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら

「お客様目線のつくり方」

「お客様目線のつくり方」

岡本 達彦

悟空出版

この本は、ビジネスの現場で「お客様目線」を持つことの重要性と、その実現方法を体系的に探るもの。「お客様目線」を適切に理解し、それを自社の経営やサービスにどう取り入れるかという具体的な手法を詳細に解説しています。…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録