(※写真はイメージです/PIXTA)

アパレル不振、少子化、コロナ不況といった厳しい状況の中、好調な売り上げを出してきた子供服のチェーン店「西松屋」。その成功理由は、多くの企業ができていない「お客様目線」を的確に捉えられていることにある、と販促コンサルタントである岡本達彦氏は言います。本稿は、岡本氏の著書『お客様目線のつくりかた:顧客視点は仕組みで生み出せる』(悟空出版)より、一部抜粋して紹介します。

「西松屋」が“超優良企業”である理由

突然ですが「西松屋」さんという、全国展開する子供服のチェーン店をご存じでしょうか? アパレル不振、少子化、コロナ不況という厳しい環境でも好調な売上を出している、超優良企業の1つです。

 

その成功要因はさまざまあると言われていますが、その1つに「駐車場」があります。

 

どういうことか? 普通、車で来るような店は交通量の多い大通りにあったほうが便利だと考えます。ところが西松屋さんは、わざと大通りから1本入ったところにお店をつくるのだそうです。どうしてだと思いますか?

 

子供服を扱っている西松屋さんのお客様にはどんな層が多いかといえば、やっぱり子供がいるママさんたちです。そのママさんたちは運転が得意ではない人が多い。そう、大通りに面したところだと、ママさんたちが車を運転して入るのに、ものすごくストレスがかかるのです。スピードを出している車も多いし、中には子供が乗っている。そんな状況で、お店の駐車場に入りにくいとしたら、行くたびに「嫌だなぁ〜」と感じるかもしれません。

 

そこで西松屋さんは、車を出し入れしやすいように、大通りから1本入った交通量の少ない通りに、できるだけお店を構える方針にしているというのです。結果、大勢のママさんたちに、気軽に車で行けると喜ばれています。

 

こんな西松屋さんのアイデアは決して難しいことではないし、画期的なことでもありません。実際、“お客様の立場”に立って考えてみれば、同じように感じることでしょう。でも、これがなかなか売る側はできないのです。

 

「こうすれば売れる」 「売れるにはこういうふうにやるべきだ」など、世の中にはさまざまな理論や手法があって、どうしてもシンプルに「お客様が喜びそうなこと」を考えることが、多くの企業、お店、営業で、できていないのです。でも、なんかおかしいですよね。

 

そう。「売るための原則」とされるセオリーの中で、私たちは繰り返し、 「お客様を喜ばせること」の大切さを説かれます。 「お客様第一」とか「顧客満足」という言葉をいったい、いつから私たちは聞かされているのでしょうか。そんな「顧客満足」は、 「お客様目線になること」とは違うことなのか? ハッキリ言ってしまえば、 「違う」のです。何がどう違うのでしょうか?

 

《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら

次ページ「お客様目線」 と 「顧客満足」 はまったく異なる
「お客様目線のつくり方」

「お客様目線のつくり方」

岡本 達彦

悟空出版

この本は、ビジネスの現場で「お客様目線」を持つことの重要性と、その実現方法を体系的に探るもの。「お客様目線」を適切に理解し、それを自社の経営やサービスにどう取り入れるかという具体的な手法を詳細に解説しています。…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録