(※写真はイメージです/PIXTA)

会社経営において長い付き合いとなるフランチャイズ本部は慎重に選ぶ必要があります。不安の多い本部選びですが、3つのポイントがあります。コンビニ7店舗を経営するフランチャイズオーナー、長瀬環氏著『儲かるコンビニフランチャイズの教科書』(自由国民社)より、フランチャイズビジネス全般における加盟店側の心構えや考え方を易しく解説します。

「サンプル」を鵜呑みにする危険

『FCチェーン収支モデル比較ハンドブック改訂版』(フランチャイズ研究会)には、大手フランチャイズチェーンの発表している収支モデル12業種分が掲載されています。本部を選ぶ際の参考になります。フランチャイズ研究会のホームページから取り寄せることができますので、ぜひ取り寄せてください。

 

しかし、注意しなければいけないことがあります。それは、掲載されている収支モデルは各社が発表している「サンプル」であるという点です。

 

各社のチェーンの平均を取っているものでもなければ、実際にある店舗の実例というものでもありません。実際の店舗での経営実態と大きくかけ離れていないとしても、ある程度見栄えが良く脚色を加えている「サンプル」ということを忘れてはいけないのです。「サンプル」を鵜呑みにして「こっちのほうが儲かるな」と判断するのはとても危険です。

フランチャイズ本部の選び方

では、フランチャイズ本部をどう選んだら良いのか。

 

「定量調査」と「定性調査」という言葉をご存知でしょうか。定量調査は数値に置き換えることができるもの、定性調査は数値に置き換えることが難しいものを調査することです。

 

数値に置き換えることができるものというと先ほどの『収支モデル比較ハンドブック』などの「サンプル」を参考にすることができます。数値に置き換えることが難しいものを判断するには、以下がポイントになってくるでしょう。

 

1.本部からの加盟店へのサポート

第1のポイントは、そのフランチャイズ本部は加盟店にどんなもの・どんなことを提供して加盟金やロイヤリティといったお金を取っているのかという点です。

 

コンビニ本部が提供している内容は、経営相談、情報システム、広告宣伝、販売設備の貸与、商品開発や商品情報サービス、会計簿記サービスなど「経営のサポート」「設備のサポート」「会計のサポート」など多岐にわたります。非常に手厚いサポートと言っていいでしょう。

 

フランチャイズ本部によっては、「運営のサポート」は得意でも「経営のサポート」が苦手なところもあるようです。

 

例えば、看板やユニフォームなどの店舗イメージや商品メニューの開発、仕入れ代行などはしてくれても、人材の募集採用や人材育成の方法、売上・利益の確保をするためのアドバイスなど経営に関する相談がほとんどなかったり、広告、キャンペーンなどの販促活動は全て加盟店オーナーまかせだったりするケースです。

 

会社経営は何年も何年も継続していくものです。設備や商品だけでなく、販促や経営相談にも力を入れてくれる本部のほうが長期的にみて助かります。

 

当然ですが、本部から手厚いサポートがもらえればもらえるほど、本部に対してのお金がかかるもの(ロイヤリティが高いなど)ですし、逆にサポートしてもらえる部分が少なければ、加盟店自身がやる部分が増えるので、支払う金額も安く済む(ロイヤリティが低いなど)はずです。

 

本部が提供してくれるサービスとそれにかかるコストのバランスをみて、適正かどうかを判断するべきでしょう。

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※本連載は、長瀬環氏による著書『儲かるコンビニフランチャイズの教科書』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

儲かるコンビニフランチャイズの教科書

儲かるコンビニフランチャイズの教科書

長瀬 環

自由国民社

現在、起業の選択肢の1つとして有力になりつつあるフランチャイズ。一見、本部の下での経営は安定しているように見えますが、実際は、普通の会社経営と同じように多くの苦労を抱えています。 本書は、年商17億円・店舗数7店…

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