営業を6つのステップに分解して「見える化」するメリット
◆自分に最適なスタイルを見つけられる
この「6つのステップ」をきちんと理解することのメリットは、自分に最適な営業スタイルを見つけられるということです。
たとえば、軽妙なトークで取引先を盛り上げている人を見て、それをマネしようと思っても、私にはそんなトーク力はありません。ただ、この「軽妙なトークで盛り上げる」を六つのステップで見てみると、これは「ステップ2. アイスブレイク:警戒している相手のガードを下げる作業」としてやっていることが見えてきます。警戒している相手のガードを下げるために、その人は「盛り上げる」ことを選んでいたわけです。
つまり、盛り上げるためのトーク術をマネるのではなく、相手のガードを下げる方法を自分なりに見つければいいのです。
筆者の場合、とにかく聞き役に徹し、相手にたくさんしゃべってもらうことでガードを下げる効果を狙いました。人はしゃべるほどにガードが下がります。あとはどうしたらしゃべってもらえるかにフォーカスするだけです。話を聞きながら、適切な質問や話題を振ることに意識を集中しました。
その結果、筆者なりの強力なアイスブレイクの手段が手に入りました。内向的な筆者には、このほうがよほどストレスなくできる方法です。
◆できる営業のテクニックを自分流に「変換」する
あるいは、毎日のように取引先と飲み歩いている営業がいたとして、あまりこうした場が得意でない人は、「自分にはとてもできない」と感じるでしょう。しかし、その行動が「ステップ6. フォロー:相手との関係性をつなげる作業」だということがわかれば、自分なりのフォロー方法が見えてきます。
たとえば、定期的にお客さまの役に立つ情報をメールにて提供し、関係を切らさないようにするといった方法が考えられます。
このように、売れている人のすべてのステップを自分流に変換していくのです。すると、見た目は違いますが、やっていることは売れている人と同じになるのです。
筆者が普段から教えていることも、この6つのステップがベースになっています。営業をステップごとに分解して「見える化」することで、自分がやりやすい方法でゴールに向かうことが可能になります。苦手なことで苦労するのは時間と労力のムダです。ぜひ自分の営業スタイルを見直してみてください。