「売れない人の負のスパイラル」から脱却する方法
◆営業の「6つのステップ」は循環している
営業の「6つのステップ」は、[図表]のように循環図に置き換えるとわかりやすくなります。
売れる営業の流れは、一方向に流れていくのではなく、このようにループしているというのが正解です。売れている人は、このループがきれいに回っています。いわば人体の血液循環図です。売れていない人は、どこかの血管がつまっていて、血の巡りが悪い状態だと思ってください。
[図表]を見ながら、売れない人のパターンを見てみましょう。
テレアポを毎日頑張って、やっとの思いでアポイントが取れたとします。せっかく取れたアポなのでなんとかして成約したいと、商談もやる気満々で臨みます。売りたい気持ちが前面に出てしまって、お客さまは少々引き気味。でも、そんなことはお構いなしに商談を進めます。
途中まで話していて、本人も「売れそうにないな」と感じたとしても、商品説明、クロージングと最後までやってしまいます。その頃にはもう、お客さまはうんざりしています。そして、二度と会いたくないと思われて、そのまま縁が切れてしまう。すると、行くところがないのでまた新規のテレアポからスタート。この繰り返し。
苦手なテレアポからいつまでも解放されず、せっかく会ってくれたお客さまからも嫌われてしまう。これが永遠に続く負のスパイラルです。
◆「売れる営業スタイル」に変えれば仕事がラクになる
一方で、営業活動を進めれば進めるほど、どんどん仕事がラクになっていく人もいます。その決め手は「ステップ6. フォロー:相手との関係性をつなげる作業」の部分。ラクに売れている人ほどこのフォロー客の数が多いのです。
ちなみにここでいうフォロー客とは、単に名刺を持っているだけの相手ではなく、お互いによく知っている間柄で、いつでも気軽に会える人のことを指します。
最初に会った際には買ってくれなかった人でも、その後ニーズが高まって、売れるようになることはしばしばあります。また、つながっていることで知人を紹介してもらえる可能性もあります。つまり、買ってもらえなくても、こうしたフォロー客を増やすことが、営業の実績に直結するのです。
そもそも、新規でゼロからお客さまを探すよりも、知っている人からの紹介で新しい人と会うほうが圧倒的にラクですし、成約率も上がります。
自分がいまどちらのパターンで営業をしているかを、改めて見直してみてください。どちらを選ぶのもあなたの自由ですが、筆者と同じような内向的で口下手な人であれば、目指すのがどちらのスタイルかは、いうまでもないことだと思います。
渡瀬 謙
有限会社ピクトワークス
代表取締役