ローンは「返済能力」があるほど低利で借りられる
不動産投資物件、つまり収益物件を購入するときのローンは、住宅ローンより金利は高くなります。特徴は、借りる人の属性によって異なり、かなり幅があることです。基本的に不動産融資は金利2%以上がほとんどですが(2023年夏現在)、資産が多い人では1%以下で借りられる例もあります。
逆に資産が多くなく、銀行とも取引がない場合では、3〜4%台になることも珍しくありません。資産家は別として、初めて不動産投資する人、取引先の銀行以外で借りる人は、いい金利で借りるのは難しく、むしろ、「借りられるだけでもいい」と思った方がいいでしょう。
不動産投資のための資金を2%台で借りられるのは、かなり低い水準です。私はマレーシアやフィリピンでも仕事をしていますが、両国では住宅ローンが6%程度(2023年現在)で、不動産投資用ローンでさえ2〜3%という日本の金利は破格です。
日本も高度成長期には住宅ローンの金利が8%ほどでした。ちなみにフィリピンのマイカーローンは20%ですが、それでも車の販売は好調です。経済が伸びている証左です。
変動金利は「上昇」の可能性に注意
ローンは変動金利型で借りる方が多いですが、金利上昇が見込まれる時期には固定金利型を検討するのもいいと思います。低金利時に固定型で借りておけば、低金利のメリットが完済時まで続きますし、金利上昇によって返済額が増えることを心配しなくて済みます。返済額が一定なら、先々の収支が計算しやすいという利点もあります。
投資用ワンルームの業者をはじめ、住宅を売りたい不動産会社の中には、「固定型と変動型は金利決定の仕組みが異なるので、固定型が上がっても、変動型は上がりません」などと説明しているところもあります。
しかし、変動金利が上がらない保証など、どこにもありません。特に変動金利は金融政策の影響を受けやすく、日本銀行の金融政策いかんでは、ある程度上昇することも考えておく必要があります。