不動産投資の心構えは「最高を夢見て、最低を覚悟する」
不動産投資において大事なのは、「最高を夢見て、最低を覚悟する」ことです。「最高」というのは、「家賃は下がらない、空室もほとんどないままローンを完済。物件価格も下がっておらず、売却すれば購入時の金額が手に入る」という展開です。
逆に「最低」というのは、家賃も半分、物件価格も半分に下がったなど、極端に状況がよくない展開です。そんな最低な展開になっても生活に支障が出ないようにするのが、「最低を覚悟する」ということです。
たとえば、Gさんは1億円の物件を頭金2,000万円で購入し、キャッシュフローはプラスを維持し続けました。しかし、ローンが終わった30年後、価格は5,000万円まで値下がりしていました。投資として失敗のようにも見えますが、そんなことはありません。ローンや経費を払ったうえでキャッシュフローがプラスだったのですから、毎月純利益が出ていたことになります。
Gさんが負担したのは頭金2,000万円と購入時と売却時の諸経費1,000万円(仮。合計10%と想定)の計3,000万円です。Gさんは3,000万円の投資によって、30年間の純利益と、売却代金の5,000万円を得たことになるわけです(税金を考慮せず)。キャッシュフローが黒字であれば、価格が半値に下がっても損はしないのです([図表]参照)。
しかし、Gさんが頭金ゼロでローンを組んでもっと多くの額を返済しなければならず、キャッシュフローが赤字でさらに物件に競争力がなく家賃が暴落、空室率も高いなどの悪条件が重なったりすればどうなるでしょう。価格が半値になると大損、という可能性もあります。ローンを返しきれず、売るに売れない、別にお金を用意しなければならない、場合によっては自己破産かもしれません。
価格の上昇は期待しにくく、価格は下がると想定するのが現実的です。そして、「最低を確保」するためにも、表面利回り6%は死守するべきでしょう。