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収入が減った、急な出費が増えた、などの理由で、国民年金の納付負担が大きく滞納してしまった経験を持つ人もいらっしゃるでしょう。しかし、年金の滞納には多くのリスクを含みます。リスクを回避するには、滞納した際の対応が重要です。本稿では、岡山県司法書士会の立山慶之司法書士監修のもと、国民年金を滞納した場合に起こるリスクとその対処法について解説します。

年金滞納で差し押さえられないための対処法

年金の滞納で、差し押さえにあわないための対処法について解説します。

毎月しっかり納付する

前章でも解説した通り、国民年金の納付は法律で定められた国民の義務となっています。

 

年金滞納で差し押さえられない対処法は、あたり前ですが滞納しないことです。

 

国民年金保険料を納付することで将来年金受給が可能となり、受け取れる年金額も増やすことができます。また、納めた年金は所得税控除の対象となるため、節税にも繋がります。

 

年金や保険料、税金などは納付を後回しにしないようにしましょう。

催告状を無視しない

経済的な理由などで年金の納付が難しかったとしても、その後に届く催告状を無視しないことも大切です。

 

催告状を無視しているとどんどん警告度が高まり、気づいたら差し押さえられていたというケースも少なくありません。

 

特に赤色の特別催告状を無視すると、その後の差し押さえは避けられないと思っておきましょう。

 

滞納しても催告状を無視しないこと、年金を支払う意思があることを表明することが重要となります。経済状況や一定の要件を満たしている場合には、次に解説する減免措置などが取れる場合があるからです。

減免、支払猶予の手続きを取る

退職や入院、家族の介護といった理由などで収入が安定せず、年金の支払いが難しい状況にある場合、日本年金機構へ申し出ることで、国民年金保険料の減免措置が取れる場合があります。

 

年金の納付が難しい場合に取れる措置には、以下のようなものがあります。

 

・保険料減免措置

前年度の所得が一定を下回っている場合、日本年金機構へ申請すれば保険料の減免措置を受けることが可能です。

 

減免措置には、保険料全額が免除される「全額免除」と一部が免除される「一部免除」があり、一部免除では保険料全額のうち4分の3、半額、4分の1のいずれかの額が免除されます。

 

減免措置を受けた期間は未納や滞納とはみなされず、受給資格期間としてもカウントされるうえ、年金を全額納付した場合の半額から8分の7までにあたる年金を将来受け取ることが可能です。

 

減免措置を受けた場合に受け取れる年金額は

 

• 全額免除:全額納付した場合の半額

• 4分の3免除:全額納付した場合の8分の5

• 半額免除:全額納付した場合の8分の6

• 4分の1免除:全額納付した場合の8分の7

 

となります。

 

保険料の減免措置は、免除を受けようとする本人または世帯主、配偶者の前年所得が一定以下の場合に、本人が申請することで減免を受けることが可能です。

 

過去2年間まで遡って申請することもできます。

 

・納付猶予制度

20才~50才未満で本人または配偶者の所得が一定を下回っている場合、本人が申請して承認されれば年金の納付猶予を受けることも可能です。

 

納付猶予を受けた場合、後から追納しないと年金受給額が増えることはありませんが、滞納や未納とはみなされず、受給資格期間としてカウントもしてもらえます。

 

国民年金保険料の減免措置をしなかった場合、将来的に受け取る年金に影響するだけでなく、障害年金や遺族年金が支給されない可能性もあります。

 

前年度の所得が減免や納付猶予に該当しない場合でも、相談することで分割払いに応じてもらえる可能性もあります。

 

このほかにも、失業や廃業時特例、産前産後の納付免除、学生特例による納付免除といった制度もあります。減免や納付猶予を受けた期間中の保険料は、後日追納すれば年金を全額受給することも可能です。追納できる期間は、減免や納付猶予が承認された月前の10年以内となっています。

 

申請方法や申請できる期間、申請条件などについて詳しく知りたい際は、所轄の役所または日本年金機構へ問い合わせてみるとよいでしょう。

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