システムを導入する前にやること
PCデータに関しては、多くの企業で管理が行き届いていない状態です。「管理が個人任せになっている」「サーバーの容量がすぐにいっぱいになってしまう」「どこにどんなデータがあるのかわからない」などなど、悩みは尽きません。
それらを解決する手段として、IT管理システムの導入が検討されるかもしれません。しかし、そうしたシステムの導入の前に欠かせないのが、「データを捨てる」ことです。
これを習慣化しておかないと、せっかく高価で高機能なシステムを導入したとしても、その価値は半減してしまうでしょう。
データを捨てることが重要な理由
「そもそも、データを捨てる必要なんて、ないんじゃないの?」という疑問を持たれる方もいるかもしれません。今や、ハードディスクの容量は〇〇テラバイトという時代ですから。
ただし、容量的には余裕があっても、不要なデータがたくさんあれば、それらが邪魔になる、ということに変わりはないのです。使いたいファイルを探す過程で、不要なファイルがたくさんあってなかなか目的のファイルにたどりつけない、ということになりかねません。
また、検索するにしても、ファイル名などがしっかりとしたものになっていなければ、検索のしようがありません。
だから、まずは不要なデータを「捨てる」ことが重要なのです。
職場内で共有するにしても、不要なデータを共有することなく、必要なデータのみを共有するので、管理がしやすくなります。当然、不要なデータがない状態は、記憶装置の容量を圧迫しません。
PCデータの捨て方
1年以上開いていないデータは捨てる
ビジネスは通常、12ヵ月単位で動いていますから、必要なものは、過去12ヵ月以内に何らかの形で使用しているはずです。ちなみに、データにカーソルを当てると、最終アクセス日が確認できます。
開かなければわからないデータは捨てる
ファイル名をいい加減につけていると、そのファイル名を見ただけでは、内容がわからないことがあります。
ただ、実際に使っているデータであれば、「これはあのファイルだな」とわかるはずです。なので、ファイル名を見てわからないようなデータは、捨ててしまいましょう。
最新バージョンのみにする
電子データの場合、コピペが楽にできるため、どんどん新しいバージョンを作っていく傾向があります。古いバージョンがなぜか残っていることがありますが、それぞれのデータは最新バージョンのみにすべきでしょう。
デスクトップは「机上ゼロ」にする
デスクトップには、何もデータを置かないようにします。理由は、見た目の気持ち良さと、職場内での共有を可能にするためです。
デスクトップ上にデータを置いておくと、当然ながら本人しかアクセスできず、共有ができません。必要なデータは、定められた共有フォルダ内に格納するようにします。デスクトップには、よくアクセスするフォルダのショートカットと、よく使うアプリケーションソフトのアイコンのみにします。
同様の理由で、USBメモリは使わないことをお勧めします。USBメモリにデータを保存すると完全に個人管理となり、共有できません。また、いろいろなUSBメモリにデータを入れていると、どのUSBメモリにどのデータを入れたのかわからなくなり、検索が難しくなります。紛失や情報漏洩のリスクも高まります。
PC間でデータを移動する場合などに、やむを得ずUSBメモリにデータを入れる際には、その都度、使用後にUSBメモリ内のデータを捨てるといいでしょう。
「ゴミ箱」という執行猶予ボックス
ところで、電子データの場合、削除をしても、その場で完全にデータが消去されるわけではありません。「ゴミ箱」に移動するだけです。だから、捨てた後になって、「しまった! あのデータは要るんだった!」となっても、慌てることはありません。ゴミ箱から回収すればいいのです。
なお、ゴミ箱については、1ヵ月に1回など周期を決めて、定期的に完全に消去しましょう。でないと、ゴミ箱の中身も記憶装置の容量を食ってしまいますので。また、クラウドストレージの場合には、ゴミ箱の保存期間が1ヵ月などと決められていて、自動的に消去してくれます。
〈まとめ〉
データの適正管理の第一歩は、不要なデータを捨てること。必要なデータは共有フォルダに格納し、デスクトップやUSBには保存しない。
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