米ドル/円を左右する「米金利」は上がるのか、下がるのか
4~6月期のGDP成長率が前期比年率2.4%(速報値)となるなど、米景気回復傾向が続いているようです。
ただし、CFTC統計の投機筋の米10年債ポジションは、一時は売り越しが80万枚以上に拡大するなど、空前の「売られ過ぎ」が懸念される状況となりました(図表9参照)。
このような債券市場のポジション動向などを見る限り、債券売り拡大に伴う「債券価格下落=利回り上昇」には自ずと限度がありそうです。
その上で、日本の金利も上限が緩和されたことにより、これまでより米金利上昇に伴う「日米金利差米ドル優位拡大=米ドル高」も限られるでしょう。
以上を踏まえると、6月末に記録したこの間の米ドル高値である145円を更新する可能性は低いのではないでしょうか。一方で既に見てきたように、「円金利上昇=円高」にも自ずと限度はありそうなので、それらを踏まえると8月の米ドル/円の予想レンジは137~144円中心で想定したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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