日銀「政策変更後の影響」が注目点…8月の米ドル/円「予想レンジ」を国際金融アナリストが解説

8月の「FX投資戦略ポイント」

日銀「政策変更後の影響」が注目点…8月の米ドル/円「予想レンジ」を国際金融アナリストが解説
(※画像はイメージです/PIXTA)

荒い値動きとなった7月の米ドル/円。大きな要因のひとつに「日銀政策の一部修正」があり、これは8月の米ドル/円の動きを見極めるうえでも焦点になると、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏はいいます。はたして8月の米ドル/円はどのような動きをみせるのでしょうか、吉田氏がさまざまなデータを紐解きながら予想します。

米ドル/円を左右する「米金利」は上がるのか、下がるのか

4~6月期のGDP成長率が前期比年率2.4%(速報値)となるなど、米景気回復傾向が続いているようです。

 

ただし、CFTC統計の投機筋の米10年債ポジションは、一時は売り越しが80万枚以上に拡大するなど、空前の「売られ過ぎ」が懸念される状況となりました(図表9参照)。

 

出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成
[図表9]CFTC統計の投機筋の米10年債ポジション(2010年~) 出所:リフィニティブ社データよりマネックス証券が作成

 

このような債券市場のポジション動向などを見る限り、債券売り拡大に伴う「債券価格下落=利回り上昇」には自ずと限度がありそうです。

 

その上で、日本の金利も上限が緩和されたことにより、これまでより米金利上昇に伴う「日米金利差米ドル優位拡大=米ドル高」も限られるでしょう。

 

以上を踏まえると、6月末に記録したこの間の米ドル高値である145円を更新する可能性は低いのではないでしょうか。一方で既に見てきたように、「円金利上昇=円高」にも自ずと限度はありそうなので、それらを踏まえると8月の米ドル/円の予想レンジは137~144円中心で想定したいと思います。

 

 

吉田 恒

マネックス証券

チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

 

※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

 

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