(※写真はイメージです/PIXTA)

相続人以外が寄与分を主張することができる「特別寄与料」という制度をご存知でしょうか? 本稿では、相続の際に知っておくべき「特別寄与料」について、請求するための条件や限度額、相場等を解説します。

特別寄与料を請求する方法をわかりやすく解説

特別寄与料は相続人に請求しますが、まずは話し合いで決着を図ります。特別寄与料の金額が話し合いでまとまらない場合、家庭裁判所に「特別の寄与に関する処分調停」の申し立てが可能です。

 

相手方の住所地の家庭裁判所または当事者の合意で決めた家庭裁判所で調停を行います。

 

提出書類は基本的に次の通りです。

 

・申立書:申立書1通・その写しを相手方の人数分用意、家庭裁判所の窓口等で取得

・申立人・相手方の戸籍謄本:各本籍地の市区町村役場で取得(1通450円)

・被相続人の死亡記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本:本籍地の市区町村役場で取得(450円~750円)

・収入印紙:申立人1人につき1,200円分

・連絡用の郵便切手

 

家庭裁判所では審理のために必要な場合、追加書類の提出を要求する場合があります。

 

なお、特別寄与者が相続開始のあった事実・相続人を知った時から6ヵ月が経過した場合、または相続開始の時から1年を経過した場合、申立てを行えなくなるので注意しましょう。

 

特別寄与料を請求する際に注意すべき点

特別寄与料を請求する前には、相続税額の2割加算の適用対象となる点に注意しましょう。

 

なぜなら、特別寄与料に相当する金額を、被相続人から遺贈により取得したとみなされるからです。したがって、特別寄与者も相続税の対象となり、法定相続人以外の人物なので、相続税額の2割加算が適用されてしまいます。

 

ただし、遺産総額が相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)に収まるなら、特別寄与者も相続税が課される心配はありません。

 

特別寄与料の請求が拒否された…対処法や救済措置法を解説

2018年の民法改正で新たに創設された制度なので、まだ日が浅く、相続人に周知されていない場合もあるでしょう。特別寄与料のトラブルの解決方法や対策、相談は誰にすれば良いのかを解説します。

 

特別寄与料のトラブルの解決方法や対策

特別寄与料の話し合いに相続人が応じても「特別寄与料の金額に根拠がない。」という理由で請求を拒否される可能性もあります。このようなトラブルを事前に想定し、特別の寄与(例:事業のサポート、療養看護等)の内容、それに関してかかった費用等をメモに記録しておきましょう。

 

また、特別の寄与に関連する領収書をとっておき、証拠として保管する方法も有効です。証拠を提示しても特別寄与料の金額に相続人が納得しない場合は、家庭裁判所に関与してもらい、特別の寄与に関する処分調停で解決を図ります。

 


株式会社サステナブルスタイル 代表取締役

後藤 光

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