(※写真はイメージです/PIXTA)

独居高齢者の増加が進む現代社会では、一人暮らしのまま亡くなる「孤独死」が重大な社会問題となっています。今回の事例は、80代で亡くなったA氏の相続手続きにおいて、死亡届を提出できず遺体が「身元不詳者」として扱われたという衝撃的な内容です。以下、司法書士法人CKリーガル所長の竹下洋一氏が、法律や手続きの壁が浮き彫りとなったこの問題を通じて、孤独死の現実とその社会的な課題について解説します。

通常の相続手続きではなかった……死亡届が提出できない“事情”

令和5年某日、被相続人A氏(80代女性)の相続人X氏から依頼を受けた事件の備忘録です。

 

さて、本備忘録の内容は、叔母であるA氏の相続人であるX氏から、A氏の相続手続きをしてほしいとのご依頼を受けたものでした。これはよくある相続手続きの依頼に見えますが、通常の手続きとは決定的に異なる事情がありました。

 

その事情とは、被相続人A氏について「死亡届を役所へ提出できていない」という点です。

 

死亡届が提出できないと、A氏の死亡が記載された戸籍謄本が取得できず、相続人X氏は相続手続きに進むことができません。では、なぜ死亡届が提出できなかったのでしょうか。以下に関係者の証言をまとめました。

1.隣家住人B氏の証言

①A氏は一人暮らしであり、友人が訪れる気配もなく、普段は自宅にいるか、または仕事に行っているかのどちらかだった。

 

②7月30日16時頃、玄関先でA氏と挨拶を交わした。その際、A氏は「仕事に行く」と言って外出したが、それ以降、姿を見ていない。

 

③同日23時頃、A氏がいつも仕事から帰る時間帯に、A氏宅から玄関を開ける音がした。その際、台所にいたB氏は自宅の窓越しに、A氏宅2階の部屋の電気がついたのを確認した(A氏が帰宅したのだと思った)。

 

④その後、A氏宅2階の部屋の電気はずっと点灯したままだった。

 

⑤普段、A氏が在宅している場合は聞こえるはずのテレビやラジオの音が聞こえないことから、A氏の安否を心配し、8月2日に福祉関係者に相談の電話をした。

 

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次ページ2.福祉関係者C氏の証言

※事案の詳細については、実際の事実関係とは一部異なる内容が含まれています。

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