トップマネジメントの7つの役割
一般的には、企業の取締役や最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)、最高執行責任者(COO)などがトップマネジメントを担当します。大企業では、さらに下部にエグゼクティブ・マネジメント(重役や部長クラス)が存在し、組織の各部門を監督して実行に移す責任を担います。
いずれにせよ、企業規模に関係なくトップマネジメントは組織の長期的な成功を確保するために、常にビジネス環境の変化に対応し、戦略的な意思決定を行う必要があります。
トップマネジメントを担う人には、具体的に7つの役割があります。
1.ビジョンや戦略の策定:企業の方向性や目標を定め、長期的なビジョンや戦略を策定します。
2.組織の方針・目標の設定:組織の方針や目標を設定し、組織内の各部門や社員が目指すべき方向性を示します。
3.業績評価・報告:組織の業績を評価し、経営報告書などを通じて組織の状況を公表します。
4.組織の文化や価値観の確立:組織の文化や価値観を確立し、社員の行動指針となるようにします。
5.リスク管理:組織にとってのリスクを把握し、最小限のリスクを負うように方針を定めます。
6.人材育成:社員の能力開発や組織内での人材育成に注力し、組織の成長に必要な人材を育成します。
7.新規事業開発:新規事業や新しい市場の開拓など、組織の成長に必要な取り組みを推進します。
つまりトップマネジメントは、組織の成長・発展のために、常にビジネス環境の変化に対応し、戦略的な意思決定を行える人が担います。
ミドルマネジメント・ロワーマネジメントとの違い
トップマネジメントについては先述のとおりですが、ミドルマネジメントやロワーマネジメントとはどのような違いがあるのか、明確に理解できていない方も多いのではないでしょうか。それぞれの特徴をご説明します。
ミドルマネジメントは、トップマネジメントからの指示や方針を、現場の実情に合わせて調整し、具体的な業務遂行に落とし込む役割を担います。部門長や課長など、中間管理職に該当することが多く、部門の業務や予算の管理、社員の指導や育成、上層部との調整など、トップマネジメントとロワーマネジメントの橋渡し的な役割を担当します。
1つ階層が下であるロワーマネジメントとは、トップマネジメントやミドルマネジメントからの指示を受け、現場で具体的に業務を遂行することが主な役割です。末端での業務遂行や社員の指導、品質管理など、具体的な業務を実行する現場レベルの管理職が担当します。
以上のように、トップマネジメント、ミドルマネジメント、ロワーマネジメントは組織内の役割や責任範囲によって役割が異なることがわかります。
トップマネジメントに必要な能力
トップマネジメントを担う人は、常にビジネス環境の変化に対応し、戦略的な意思決定を行う必要がありますが、そのためにはどのような能力が必要なのでしょうか。
■リーダーシップ能力
・組織を指導し、統率する能力
・ビジョンを持ち、それを組織内に浸透させ、共有する能力
・社員を育成し、組織の成長につなげる能力
■戦略的思考力
・長期的な視点で組織の方向性を定め、その実現に向けた戦略を策定する能力
・市場や業界のトレンドを把握し、ビジネスモデルの変革など、変化に対応するための戦略を立案する能力
■問題解決能力
・複雑な問題を分析し、的確な解決策を導き出す能力
・問題を早期に発見し、迅速に対応するための能力
■コミュニケーション能力
・社内外のステークホルダーとのコミュニケーション能力
・上層部や社員とのコミュニケーション、説明力に優れた能力
・社員や部下を理解し、指導する能力
■経営知識
・会計や財務、マーケティング、人事など、経営全般にわたる知識を有する能力
・ビジネスモデルや業界のトレンドなど、幅広い視野を持つ能力
上記のように、多岐にわたる能力が必要です。また、これらの能力を磨くために、経験や教育など、学び続ける姿勢も大切だといえます。
奥田 拓之
株式会社識学
営業1部 係長/シニアコンサルタント
《最新のDX動向・人気記事・セミナー情報をお届け!》
≫≫≫DXナビ メルマガ登録はこちら