「ビッグモーターの大炎上」は他人事ではない…「会社の不祥事」で社長がとるべき行動は【弁護士が解説】

「ビッグモーターの大炎上」は他人事ではない…「会社の不祥事」で社長がとるべき行動は【弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

SNSや各メディアで盛んに報じられている、中古車販売大手「ビッグモーター」の不祥事。その内容もさることながら、謝罪会見で社長が話した内容と告発内容に違いがあることから、その保身的な態度に批判が集まっています。自社で不祥事が発生した場合、社長はどう対応すればよいのでしょうか。Authense法律事務所の西尾公伸弁護士が、2022年に起きた主な企業不祥事を紹介するとともに、自社で不祥事が起きた場合の対処法を解説します。

「謝罪会見」か「HP掲載」か…相談のうえ慎重に判断を

3.早期に謝罪と報告をする

事実関係を確認したら、早期に謝罪と報告を行います。謝罪と報告ではその時点で発覚している事実を公表するとともに、誠実に対応しましょう。企業側が保身的な態度や投げやりな態度を取ってしまえば、企業イメージがより失墜してしまいかねません。

 

また、謝罪や報告の方法は起きた不祥事の内容や影響の規模、社会の関心の大きさなどによって検討します。

 

もっとも誠実であると捉えられやすい謝罪方法は、謝罪会見です。また、軽微な不祥事であれば、企業のホームページで掲載する場合もあります。

 

謝罪会見をすることにはコストがかかるほか、ニュースなどでも映像が報じられ、より不祥事を知る人がより増える可能性があるなどのデメリットがあります。また、企業側の発言や態度によっては、さらに不信感を与えてしまうリスクもあるでしょう。

 

その一方で、社会の関心や影響が大きかったり不祥事が重大であったりするにもかかわらずホームページ上での謝罪のみでは不誠実であると捉えられ、影響が拡大する可能性があります。

 

そのため、弁護士などの専門家とも相談のうえ、事案に合った対応方法を慎重に検討することが必要です。

 

4.再発防止策を講じる

不祥事の初期対応が済んだあとは徹底的に原因の究明を行い、再発防止策を講じましょう。企業の仕組み自体に問題がある場合には、たとえ不祥事を起こしたのが1人の従業員であったとしても、不祥事が再発しかねないためです。

 

しかし、企業内の問題を自社のみで把握し、抜本的な改革をすることは容易ではありません。

 

そのため、再発防止策の検討は社内のみで行わず、弁護士などの専門家とともに行うことをおすすめします。

 

◆まとめ

企業不祥事は、どの企業にとっても他人事ではありません。

 

不祥事のニュースなどを目にした際には、ぜひ「自社では大丈夫だろうか?」と立ち返り、自社の対応を見直すきっかけとして頂くとよいでしょう。

 

また、いざ不祥事が起きてしまった場合に備えて対応マニュアルを整備し、弁護士と顧問契約を締結しておくこともおすすめします。

 

<参考>

※1 日野自動車:【公表情報一覧】エンジン認証に関する当社の不正行為および「3つの改革」について

※2 読売新聞オンライン:「お立ち台に上がる」衆目の前での叱責…日野不正の一因は「パワハラ」、役員一部辞任へ

※3 NHK NEWS WEB:かっぱ寿司運営会社社長逮捕 不正競争防止法違反疑い 警視庁

※4 NHK:静岡 観光バス横転事故 発生時の時速約90キロ 操作ミス原因か

 

 

西尾 公伸

Authense法律事務所

弁護士

 

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※本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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