(写真はイメージです/PIXTA)

今年2月、某芸能人が、検索で出てきた画像をSNSに無断転載し著作権侵害をしていたとしてニュースになりました。このように、度々報道される「著作権違反」のニュースですが、「どこまでがOKで、どこからがNGか」著作物の線引きのルールがいまいちわかっていないという人も多いのではないでしょうか。今回は、Authense法律事務所の西尾公伸弁護士が、法律にもとづく著作物の引用についてくわしく解説します。

「著作権」には“狭義”と“広義”がある

著作権とは、著作物を保護するための権利です。著作権はひとつの権利ではなく、さまざまな権利が束になっています。

 

まず、広義の著作権は、狭義の著作権(財産権)と、著作者人格権とに分類できます。

 

狭義の著作権(財産権)

狭義の著作権(財産権)とは、その著作物を利用したりコピーを販売したりする財産的な権利です。これには、たとえばコピーなどで有形的に複製する権利である「複製権」や、インターネットなどで著作物を送信する「公衆送信権」など多数の権利が含まれています。

 

狭義の著作権(財産権)は、全部または一部を譲渡することも可能です。

 

著作者人格権

一方、著作者人格権とは、著作物を創作した人(「著作者」といいます)に固有の権利です。これには、たとえば著作物を勝手に改変されない権利である「同一性保持権」や、著作物に著作者の氏名を表示するかどうかなどを決める「氏名表示権」などが含まれます。

 

著作者人格権は、譲渡することができません。

 

一般的に「著作権」というと狭義の著作権(財産権)全般を指すことが多いものの、このようにさまざまな権利の束であることを押さえておきましょう。

判例、条文…著作権が「発生しない」もの

著作物の引用について考える前に、そもそも著作物に該当しないもの(10条2項)や著作権の対象とならないもの(13条)を確認しておきましょう。

 

そもそも著作物に該当しないものは、次のとおりです。

 

事実の雑報および時事の報道

事実の伝達にすぎない雑報や時事の報道は、そもそも著作物に該当せず、著作権が発生しません。

 

ただし、「事実の伝達にすぎない」新聞記事や雑誌記事はさほど多くありません。事実の伝達にすぎない報道とは、たとえば「10月31日に元〇〇の〇田一郎氏が死去、75歳」程度の記事くらいでしょう。

 

その他の大半の記事は「事実の伝達にすぎない」ものには該当せず、著作権の対象となるため、注意が必要です。

 

著作権の対象とならないものは、次のとおりです。

 

法令の条文

法令の条文や告示、訓令、通達などは、著作物ではあるものの、著作権の対象とはなりません。たとえば、日本国憲法や民法、刑法、会社法などの法律のほか、東京都迷惑防止条例、財産評価基本通達などがこれに該当します。

 

裁判

裁判所の判決、決定、命令及び審判などは、著作物ではあるものの、著作権の対象とはなりません。そのため、判例などは自由に利用することが可能です。

 

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※本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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