(※写真はイメージです/PIXTA)

相続税以外の「税務調査」といえば法人が対象というイメージがありますが、個人が対象になることも珍しくはありません。しかも一見すると「普通の会社員」という人に税務調査が行われることも。どのような人が対象になりやすいのか、税理士事務所エールパートナーの木戸真智子税理士が解説します。

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    税務調査は法人だけでなく個人も対象になる

    「税務調査」と聞いて思い浮かべることはどんなことでしょうか。多くの人が大企業にマルサが入って……というような、会社員にとっては、なんだか遠いイメージを持つ人がほとんどでしょう。

     

    実は「税務調査」というものは法人だけに限ったことではありません。ある日、サラリーマンのもとに「税務調査に伺いたい」と税務署から連絡があり、「えっ⁉」と慌てふためく……そんなことも珍しくないのです。

     

    そもそも税務調査とは、確定申告の内容が適正かどうかを確認するためのものなので、法人でなくても、確定申告をしている個人も当然、対象になります。

     

    「税務調査」が来たら、高い税金を払わないといけなくなるようなイメージを持たれている人もいるかもしれませんが、正しい税金を納めていたら税務調査がきても、追加で税金を納める必要などありません。

     

    会社員なのに税務署に目を付けられる…よくある3パターン

    税務調査が来るということは、何のために来るのか、何を確認するためなのか、ということは来ると決まった時点でだいたい決まっています。一番避けたいのは以下のケースです。

     

    【ケース1】申告漏れがある

    副業やダブルワークが一般化している昨今、2ヵ所以上のところから給与を受け取っているということも珍しくなくなりました。2ヵ所以上の給与がある場合、たとえひとつの会社で年末調整をしていても、確定申告をしなければなりません。

     

    万が一、申告が漏れていたとしたら……少しくらいならわからないだろうと思っているなら大間違いです。税務署が給料を支払った会社側からの源泉徴収票を確認して、漏れていることを見つけたことにより、税務調査のキッカケとなるということも十分にあります。

     

    給与だけでなく、副業ももちろんです。少しくらいの副業ならわからないだろうと思っていても、支払った会社側が税務署に支払調書という形で報告をしているケースがありますので、それにより申告漏れが発覚します。

     

    このような申告漏れは、税務署も書類や証拠資料を集めた上で調査をするので、修正申告をするしかありません。当初から漏れなく申告しておけば良かったものの、漏れてしまったことにより平日に税務調査に時間をとられるうえ、追徴課税を支払うときは、延滞税や加算税などのペナルティも合わせて支払わないといけなくなります。

     

    【ケース2】申告内容に不備がある

    確定申告をしたはいいものの、添付すべき書類が添付されていない、記載すべき事項の記載がないなど、不明瞭な場合も税務調査の対象になることがあります。

     

    特に添付書類が多いのは不動産の売買です。不動産の売買をしたうえ、特例を適用した場合などはなおさら添付書類や記載すべき事項が多くなります。そこに不備がある場合、他にも漏れがあるのではないかと疑われ、申告内容の確認のために税務調査の対象になることがあり得ます。

     

    不動産売買の特例はたくさんあり、適用するための条件が適正に当てはまっているかということも書類がないと判断できません。そのため、税務調査の対象になりやすいことは容易に想定できるでしょう。

     

    さらに不動産を売買した場合、どうしても売買をした年度の確定申告だけに意識が向いてしまいますが、実はその後も気を付けないといけません。特に注意が必要なのは、不動産を売買した2年後、消費税がかかる売買が1,000万円をこえている場合です。2年後の確定申告の時に消費税の申告義務が発生する場合ですが、不動産売買から2年経過したことなのでうっかり忘れてしまうことも……こちらについても不備のないようにしっかり管理をする必要があります。

     

    この消費税の申告義務は、売買金額だけではありません。例え売買金額が1,000万円をこえていなくても、個人事業などの副業の売上も含めて、1,000万円をこえていたら対象になることもあるので、慎重に確認する必要があります。

     

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