(写真はイメージです/PIXTA)

2022年度の実質GDP成長率は、1.4%増と2年連続のプラスになりました。新型コロナウイルスの5類以降により、外食・宿泊などの対面サービス消費やインバウンド需要の回復が見込まれており、成長は続くことが予想されています。本稿では、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏が、GDP成長率や消費者物価の見通しについて解説します。

5―消費者物価の見通し

消費者物価(生鮮食品を除く総合、以下コアCPI)は、2023年1月に前年比4.2%と1981年9月以来41年4ヵ月ぶりの高い伸びとなった後、政府による電気・都市ガス代の負担緩和策の影響で2月に3.1%と伸び率が大きく縮小したが、4月には年度替わりの値上げが幅広い品目で実施されたこともあり3.4%まで伸びを高めた。

 

物価上昇の主因となっていたエネルギー価格は2023年2月以降、前年比でマイナスとなっているが、日銀が基調的な物価変動を把握するために重視している「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は、2023年4月には前年比4.1%まで伸びを高めている。

 

電気代は、電力大手7社が申請していた電気料金の値上げが認可されたことから6月に大幅に上昇し、10月には政府の負担緩和策の縮減により一段と上昇する。

 

さらに、6月以降は、燃料油価格の激変緩和策の補助が段階的に縮減されることから、横ばいが続いていたガソリン、灯油価格は上昇することが見込まれる。

 

エネルギー価格は前年の水準が高かったこともあり、2023年中は前年比で下落が続くが、2024年入り後には上昇に転じるだろう。

 

資源・穀物価格の一服などから輸入物価の上昇には歯止めがかかっている。このため、今後は原材料コストを価格転嫁する動きが徐々に弱まり、財価格の上昇率は鈍化することが見込まれる。

 

一方、下落が続いていたサービス価格は2022年8月に上昇に転じた後、2023年4月には前年比1.7%まで伸びを高めている。

 

サービス価格は賃金との連動性が高く、2023年度のベースアップが2%程度であることを考慮すれば、サービス価格の上昇率は2%台まで高まる可能性が高い。

 

これまで長期にわたって値上げが行われていなかった分、今後のサービス価格の上昇ペースは非常に速いものとなる可能性がある。

 

コアCPI上昇率は財価格を中心に鈍化傾向が続くが、日銀が物価安定の目標としている2%を割り込むのは2024年度入り後と予想する。

 

財・サービス別には、2022年度は物価上昇のほとんどがエネルギー、食料を中心とした財の上昇によるものだったが、2023年度は財、サービスが概ね同程度の寄与となった後、2024年度はサービス中心の上昇へと変わっていくだろう。

 

コアCPI上昇率は、2022年度の前年比3.0%の後、2023年度が同2.7%、2024年度が同1.3%と予想する[図表3]。

 

 

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    ※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年7月7日に公開したレポートを転載したものです。

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