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ひとり親世帯…2人1人は貧困の実態
内閣府が2019年に公表した『子供の貧困対策~子供を取り巻く現状と国の取組について~」によると、日本における子どもの貧困率は7人に1人。さらにひとり親世帯では2人に1人は相対的貧困だといいます。さらに厚生労働省『令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告』によると、ひとり親世帯のなかでも母子家庭に絞ると平均就労年収は236万円。父子家庭は496万円に対し、相対的に厳しい経済状況にあることが伺えます。
幼少期の自然体験は、子どもの自己肯定感や学力に影響する要素のひとつ。特に小学校低学年までの自然体験や動植物との関りが、その後の人生に影響を及ぼすことが分かっています。教育・体験の差が、学歴の差、そして大人になってからの年収の差にまで影響するのです。さらに、このような貧困の連鎖がいま大きな社会問題になっています。
すべての子どもが通う「学校」での自然体験を増やそうとする取り組みもあります。しかし、教育現場は多忙を極め、よほど意欲的な教師と理解がある学校でない限り、自然体験を増やす余裕はほとんどありません。世帯の収入格差によって子どもの自然体験の減少、さらには貧困の連鎖と、問題はさらに拡大していく可能性があります。
子どもの頃の自然体験は、受験期の自尊感情や外向性を育む
文部科学省の「令和2年度青少年の体験活動に関する調査研究」によると、小学生の頃に行った自然体験、社会体験、文化的体験などの体験活動は、長期間経過しても、その後の成長に良い影響を与えていることが明らかとなりました。特に自然体験では、主に自尊感情や外向性によい得点が現れています。
さらに、体験と意識との関係について、世帯収入の水準別に分けて分析したところ、収入の水準が相対的に低い家庭にある子どもであっても、自然体験の機会に恵まれていると、家庭の経済状況などに左右されることなく、その後の成長に良い影響が見られることが分かりました。
こうした結果からも、子どもたちの健やかで意欲の高い成長を促すには、子どもの置かれている家庭の経済状況によらず、多様な形で自然体験の場や機会をつくっていくことが重要といえます。すべての子どもたちが様々な体験にチャレンジできるよう、周りにいる大人が「意図的」「計画的」にその機会や場を増やしていくことが求められています。
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