リユース・リサイクル市場…10年で65%成長を予測
中古品に代表される古物を売買・交換し、再利用を促すリユース・リサイクル。リサイクル通信の調査によると、2021年のリユース・リサイクル市場規模は、2.7兆円で前年比11.7%の増加。2009年以降、12年連続で成長を続けています。
内訳をみていくと、店舗を通じたリBtoCは9,928億円で前年比12.0%増。ネットを通じたBtoCは4,963億円で前年比14.7%増。フリマアプリ等のCtoCは1兆1,686億円と前年比10.4%増でした。
商材別にみていくと、金額が最も多いのは「衣料・服飾品」で4,587億円。「ブランド品」2,947億円、「家具・家電」2,518億円と続きます。一方で前年から大きく伸びたのは「玩具・模型」で、19.7%増の1,803億円でした。
ミニマリズムブームやフリマアプリなどの盛況、さらに昨今の物価高で割安な中古品に注目が集まり、2025年には3.5兆円、2030年には4兆円規模のマーケットに拡大されるといわれています。
中古品が別の所有者に受け継がれ、廃棄されずに使われ続けることは、経済合理性に加えて、環境保全のためにもよいことです。
――もっと環境のために
そう考える人たちから、リサイクル・リユースを通じて、環境を守る活動に寄付できるサービスに注目が集まっています。
不用品をダンボール箱につめて送るだけでできる社会貢献
たとえば東京・世田谷区で買取業を営むTMコミュニケーションサービス株式会社による物品寄付プログラム。 これは家庭や職場などで使わなくなったものを、寄付先を指定し受付センターに送ると、買取相当額が社会貢献団体に寄付されるというもの。着払いで送ることができるので、送料負担は一切ありません。さらに運営会社から買取価格の10%相当額の寄付が上乗せされるとか(一部商品を除く)。
寄付できる品目はブランド品・食器、貴金属・時計、記念貨幣・商品券、美術品・骨董品、おもちゃ・ゲームなどさまざまな不用品です。2014年にスタートしたプログラムは、現在150超のNGOへの寄付。受付センターには、毎月2,000件ものさまざまな寄付物品が届くといいます。
環境省の発表(2022年3月)によると、日本のごみ総排出量は年間4,167万トン。東京ドーム約115杯分にもなり、その処理のために2兆1,290億円が使われています。不用品の一部でもリユース・リサイクル→150超のNGOへ寄付となれば……一つひとつは決して高額でなくても、まさに「塵も積もれば山となる」 。一人ひとりの思いが重なり、環境を守る大きな力につながっていきます。
公益財団法人 日本自然保護協会(NACS-J)