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自然との関係が薄い子どもたち
子どもたちが育つ生活環境の変化や都市開発の影響から、身近に自然が少なくなっています。そのため、子どもたちの自然体験についても、年々乏しくなっていることが明らかになっています。
国立青少年教育振興機構『青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)』によると、「昆虫や水辺の生き物を捕まえること」に対して「何度もした」と回答したのは20.3%。15年ほどで13ポイントほど減少しています。同じく国立青少年教育振興機構『青少年の体験活動等と自立に関する実態調査(平成22年度調査)』によると、「チョウやトンボ、バッタなどの昆虫をつかまえたこと」に対して人口規模に関わらず40~45%程度が「ほとんどない」と回答しました。このように、子どもの自然体験は都市部も自然豊かな地方でもほとんど変わらず、昨今の子どもたちは、親世代やその上の世代の幼少期よりも自然との関わりが薄い環境に置かれているといえます。
親の収入が教育格差にも影響
内閣府『平成28年度 子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究 報告書』で世帯収入(税込み収入)と学力の関係について言及しています。それによると、小学校6年生、中学校3年生のいずれの学年においても、子どもの国語・算数(数学)のテストの正答率と世帯所得は比例関係にあり、所得が高いほど正答率も高くなる傾向にありました。
また前述の国立青少年教育振興機構『青少年の体験活動等に関する意識調査(令和元年度調査)』で世帯年収と子どもの自然体験の頻度についてみていくと、「子供の自然体験が多い(「多い」「やや多い」の合計)」の回答は年収400万円未満で20%台、一方で、年収1,200万円以上で40%台と、世帯年収と自然体験においても明らかな相関関係がありました。
さらに自然体験活動に参加しなかった理由として、世帯年収400万円未満の場合は、経済的あるいは時間的余裕のなさと関係する内容が多く挙げられたといいます。金銭面だけでなく時間的にも精神的にも余裕がない家庭では、「子どもに自然体験をさせたい」と思ってもそれが叶わない場合があるのです。
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