「海外旅行保険」は“保険料の安さ”だけで選ぶと危険!「数百万円・数千万円」を損することも!? 「選び方・組み方」で注意すべきポイント

「海外旅行保険」は“保険料の安さ”だけで選ぶと危険!「数百万円・数千万円」を損することも!? 「選び方・組み方」で注意すべきポイント
(※画像はイメージです/PIXTA)

2023年、これから夏休みシーズンを控え、「コロナ明け」ムードの高まりにより、海外旅行客が大幅に増加するとみられています。しかし、ウイルス自体が収束したわけではありません。また、海外へ行けば思わぬトラブルに遭うリスクがあります。そこで、「海外旅行保険」に入ることが必須ですが、「保険料の安さ」以外にも押さえなければならないポイントがあります。本記事で解説します。

海外旅行保険の「絶対必要な補償」と「人によって必要性が異なる補償」

海外旅行保険は様々な補償がセットになったものです。

 

そのなかには、「絶対必要な補償」と「人によって必要性が異なる補償」とがあります。したがって、まず、それらを区別する必要があります。

 

海外旅行保険の代表的な補償を上記の2種類に分類すると、以下の通りです。それぞれについて、組み方のポイントがあります。場合によっては「数百万円」「数千万円」の損をしてしまうことがあるといっても過言ではありません。

 

決して「保険料が安いから」「インターネットで簡単に加入できるから」という理由だけで選ぶべきではありません。

 

【絶対必要な補償】

 1. 治療・救援費用

 2. 賠償責任

 

【人によって必要性が異なる補償】

 3. 死亡・後遺障害

 4. 携行品損害(盗難等)

 5. 航空機遅延費用

 

以下、それぞれの補償内容を解説します。

絶対必要な補償

◆1|「治療・救援費用」の補償

まず、「治療・救援費用」の補償です。

 

これは、病気・ケガで病院等にかかった場合の治療費のほか、家族等が現地に駆け付ける場合の渡航費用等をカバーするものです。

 

あらかじめ設定した限度額(保険金額)の範囲内で、実費が支払われます。

 

保険金額は「2,000万円」以上に設定することをおすすめします。

 

なぜなら、海外では日本の健康保険は適応外なので、数百万円、数千万円の治療費を自己負担しなければならなくなることがあるからです。

 

日本損害保険協会によると、「虫垂炎(盲腸)」で手術を受けた場合、治療費はアメリカのホノルル(ハワイ州)では200万円、タイのバンコクで50万円を超えることがあります(日本損害保険協会「損害保険Q&A」問81参照)。

 

日本には「海外療養費制度」の制度があり、「日本で同じ治療を受けた場合にかかる治療費」の相当額と「健康保険適応の場合の自己負担額」との差額を補てんしてもらえます。しかし、これだけでは賄いきれない可能性が高いのです。

 

もし、保険でカバーしていなければ、数百万円、ことによっては数千万円を自己負担しなければならない可能性があります。

 

この「治療・救援費用」の補償については、もう一つ、留意すべき点があります。

 

それは、各保険会社がカバーする地域に得意・不得意があるということです。すなわち、保険会社によって、提携医療機関が多いエリアと、手薄なエリアが異なります。したがって、目的地のエリアで数多くの医療機関と提携している保険会社を選ぶことをおすすめします。

 

◆2|「賠償責任」の補償

「治療・救援費用」の補償と並んで絶対必要な補償は「賠償責任」の補償です。

 

これは、過失によって人を死傷させてしまったり、物を損壊してしまったりした場合に、支払わなければならない損害賠償金額等の費用をカバーしてくれるものです。

 

これも、「治療・救援費用」と同様、保険金額(限度額)の範囲内で実費をカバーしてもらえます。

 

保険金額は「1億円」以上に設定しておくことをおすすめします。

 

また、「弁護士費用」まで対象になるかどうかも重要です。保険会社によって、基本補償に含まれている場合と、別途「特約」を付けなければならない場合があるので、注意して、必ず弁護士費用が補償されるように組んでください。

 

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