(※画像はイメージです/PIXTA)

鈴木財務大臣は、2023年6月30日の記者会見で、円相場が一時1ドル=145円台まで下落したことに関し、「行き過ぎた動きに対しては、適切に対応しなければならない」と述べ、「為替介入」の可能性を示唆しました。為替介入とはどのようなものなのか、そのしくみと財源、実施する場合の条件等について、今日の「円安ドル高」が生じている要因にも触れながら解説します。

為替介入とは

為替介入は正式名称を「外国為替平衡操作」といいます。

 

為替相場が急激に変動した場合に、「通貨当局」(日本においては財務省と日本銀行)が、外国為替市場において、通貨の売買を行うことをいいます。

 

「円安ドル高」の場合は、円を高くするために「米ドル」を売って「円」を買うことになります。この「ドル売り・円買い」の為替介入は、米ドルの流通量が増加させ、円の流通量を減少させるので、円高に押し戻す効果があります。

 

なお、逆に「円高ドル安」であれば「円」を売って「米ドル」を買います。

 

いずれも、財務省が日本銀行に指示を行い、日本銀行が代理人として実行する形をとります。

 

前回、為替介入が行われたのは、2022年10月です。

 

当時、円安ドル高が急激に進み、1ドル150円を超える事態となったため、「ドル売り・円買い」の為替介入が行われたのです。

為替介入の「財源」は?

「ドル売り・円買い」は、手持ちの米ドルが潤沢になければできません。そこで、財務省が所管する「外国為替資金特別会計」(外為特会)というものがあります。

 

財務省が開示している情報によれば、2023年5月末日の時点で外貨準備高は1兆2,545億2,200万ドル、うち「証券」が9,881億500万ドル、外貨預金が1,382億7,800万米ドルです。為替介入が行われる場合、これらの中から賄われることになります。

 

為替介入の有無と金額は翌月に公表され、具体的に「何月何日にいくら投入して行ったか」は3ヵ月ごとに公表されます。

 

なお、前回為替介入が行われたのは2022年10月21日と10月24日で、21日に5兆6,202億円、24日に7,296億円が投入されたことがわかっています。

 

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