(写真はイメージです/PIXTA)

2023年に入ってから上昇基調にある日本株式。足元の株高は「円安」と「米株高」である程度説明ができそうです。本稿ではニッセイ基礎研究所の前山 裕亮氏が、日本株高の「賞味期限」について分析します。

日本株高の背景には円安と米株高

 

日本株式は2023年に入ってから上昇基調が続いている。特に、4月以降はその上昇基調を強め、日経平均株価やTOPIXなどの日本株式の主要株価指数は軒並み33年ぶりの高値を付けている。

 

このように日本株式が上昇した直接的な要因は、海外投資家が日本株式を買ってきたことにあるが、海外投資家の買いの背景には2つあると考えている。

 

まず1つ目は円安の進行である。2023年初には一時1ドル(橙線)130円を下回っていたのが、足元では141円台をつけている【図表1】。そして2つ目が、米株高に象徴されるように、世界的に投資家のリスク選好が高まったことである。

 

 

実は円建ての米国株式と同じ値動き

 

2023年の年初からの騰落率は6月20日時点で、TOPIX(青線)が21%に対してS&P500種株価指数(黄線)が14%と、TOPIXの方が大きくなっている【図表1】。ただ、円建てにするとS&P500種株価指数(灰線)は22%とTOPIXとほぼ同じだけ上昇しており、日本株式が独歩高といえない状況であることが分かる。

 

そもそも2022年以降のTOPIXと円建てのS&P500種株価指数は似たような推移をしてきたが2023年に入ってもその傾向が続いている。そのことを踏まえると、足元の日本株式の上昇も円安と米株高である程度は説明できてしまうといえよう。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年6月21日に公開したレポートを転載したものです。

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