(※写真はイメージです/PIXTA)

後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届け。今回は、「相続登記における登録免許税」について詳しく解説します。

法定持分どおりに相続する場合

・被相続人の出生から死亡までの戸籍、住所を表すもの

・相続人全員の戸籍、住所を表すもの

・評価証明書

 

被相続人の最後の住所と登記簿記載の住所が異なる場合は、それぞれ証明できるものが必要です。戸籍の返却を希望する場合は、相続関係説明図を添付します。法定相続情報証明制度を利用し、法定相続情報一覧図の写しを添付することで、戸籍の添付を省略できます。

 

遺産分割協議を行った場合

・被相続人の出生から死亡までの戸籍、住所を表すもの

・相続人全員の戸籍、住所を表すもの

・遺産分割協議書

・相続人全員の印鑑証明書

・評価証明書

 

相続人全員の印鑑証明書は、被相続人の死亡日以降に取得されたものであれば、古いものでも問題ありません。

 

遺言書に従って相続する場合

・被相続人の死亡事項記載の戸籍

・受遺者の戸籍

・遺言書の正本または謄本

 

公正証書遺言以外で法務局で保管されていない場合は、家庭裁判所にて検認を受け、検認済みの証明文が付された遺言書でなければなりません。

 

また、遺言執行者が選任されている場合は、遺言執行者の印鑑証明書など、ケースによってほかの書類も必要です。

 

登記識別情報の通知を希望するかどうか

登記識別情報とは、昔でいうところの権利書です。通知を希望しなければ発行はされません。管理が不安であるなどの事情がなければ、通知を希望してよいでしょう。

 

申請日

実際に申請する日を記載します。郵送による申請の場合は、申請書類一式をポストに投函した日で問題ありません。

 

申請先の法務局

申請人の住所地ではなく、対象の不動産の所在地を管轄する法務局に申請します。不動産が複数あり、たとえば〇〇市に土地2筆、△△市にも土地2筆あるといった場合には、〇〇市を管轄する法務局と△△市を管轄する法務局それぞれに申請する必要があります。

 

課税価格、登録免許税

課税価格は、評価証明書に記載されている固定資産評価額をもとに記載します。そのままの金額ではなく、1,000円未満を切り捨てた金額です。

 

登録免許税については、免税措置の適用を受けて非課税にする際は、非課税となる根拠を登記申請書に記載する必要があります。

 

免税措置を受けるには、以下の文言を記入します。

 

・租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税

・租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税

 

非課税となる根拠を記載しなければ、免税措置が適用されないことに注意が必要です。必ず記載するようにしましょう。

 

不動産の表示

相続の対象となる不動産の情報を記載します。全部事項証明書を取得し、そのとおりに記載すれば問題ありません。

 

相続登記の免税措置を受ける際の注意点

相続登記における登録免許税が非課税になる条件や、免税期間について解説しました。

 

所有者不明土地の問題解決のための免税措置であり、登録免許税の免税対象となるのは土地のみです。建物は対象にならないことに注意が必要です。

 

相続は非常に身近な問題であり、誰もが直面する可能性があります。仕組みや手続きが複雑で、登記申請はもちろんのこと、戸籍を揃えるだけでも一苦労です。

 

そのため、無理をせず専門家に依頼することを検討してみてください。相続についての相談は、相続診断士に相談するのがおすすめです。相続診断士から、ケースに合わせて行政書士や司法書士などの専門家に繋いでもらえるためスムーズに対応することができます。

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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