(※写真はイメージです/PIXTA)

生きるうえで「食事」は必要不可欠。摂取した栄養素は長い道のりを経て、身体のために機能します。本連載では、ボディビル世界大会で3位に入賞した経験もあり、日本体育大学体育学部の教授を務める岡田隆氏の著書『世界一細かすぎる筋トレ栄養事典』から、「食事×筋トレ」を主軸とした「理想のカラダづくり」について解説します。

フェーズ1 食べて絞れる身体の仕込み(食べる量・動く量を増やす)

継続のコツは、減らす(マイナス)ではなく、増やす(プラス)から入る!

身体を絞ろうとすると、いきなり食事量を減らしがち。

 

しかし、慣れない状況でいきなり減らすと体脂肪はおろか筋肉も減少してしまう。食べてもトレーニングでエネルギーを使いきれば、身体は絞れる。

 

また、気持ち的にも「減らす」食事管理はストレスになり、長続きしない。食べるも動くも「増やす」ことを基本とし、食事の質、そして運動を変えることから始めよう。

 

本書が先に筋肥大の食事を解説している意図が実はこれにある。除脂肪を行うなら、先に筋量を増やし、基礎代謝量を上昇させておくことが有効だからだ。

 

#1 食物繊維を段階的に増やす

栄養のほとんどは腸管から吸収される。腸内環境が整っていなければ、筋肉をつけ痩せる準備が整っていないのと同じこと。

 

まずは、主食に雑穀米、玄米、麦飯、全粒粉のパンやパスタを取り入れて、食事に食物繊維を加えること。海藻たっぷりのみそ汁、生野菜や温野菜、豆類やいも類、きのこ類もOK。ゆでたスーパー大麦を副菜に混ぜるのもおすすめだ。

 

#2 噛む回数を増やす

食物繊維を増やすことと噛む回数を増やす(できれば25回)ことはセットと考える。食物をできるだけ細かく咀嚼すれば胃腸への負担が減少し、栄養吸収の効率が高まる。

 

また、よく噛む“遅食い”のほうが食事誘発性熱産生によるエネルギー消費が高まることがわかっており、年間体脂肪の約2kgに相当するエネルギーが消費されることも報告されている。(濵田ら,2016)

 

#3 炭水化物を段階的に増やす

除脂肪の場合も筋肥大と同様に、トレーニングを軸としたエネルギー消費がベース。摂取エネルギー(主に糖質)をトレーニングで使いきり、体脂肪を燃焼せざるを得ない状況をつくる。

 

そのためには、トレーニング前の糖質(炭水化物)摂取を増やすこと。エネルギー(糖質)を入れて高強度かつ高ボリュームのトレーニングで使いきる、言い換えれば解糖系エネルギー代謝の流れを活性化させる身体と心を仕込もう。

次ページフェーズ2 PFCバランスを最適化
世界一細かすぎる筋トレ栄養事典

世界一細かすぎる筋トレ栄養事典

岡田 隆

小学館

食事×筋トレで理想のカラダをつくれる本! 世界大会にて3位となるまでの体験、そして研究者としての知見から得た「生きていくうえで必須の行為『食事』を、いかにボディメイクに生かすか」がテーマの一冊。 本書には、あな…

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