世界大会3位入賞ボディビルダー「筋肉、骨、免疫ですらタンパク質でできている!」…“タンパク質がいかに重要か”を解説

世界大会3位入賞ボディビルダー「筋肉、骨、免疫ですらタンパク質でできている!」…“タンパク質がいかに重要か”を解説
(※写真はイメージです/PIXTA)

生きるうえで「食事」は必要不可欠。摂取した栄養素は長い道のりを経て、身体のために機能します。本連載では、ボディビル世界大会で3位に入賞した経験もあり、日本体育大学体育学部の教授を務める岡田隆氏の著書『世界一細かすぎる筋トレ栄養事典』から、「食事×筋トレ」を主軸とした「理想のカラダづくり」について解説します。

体内には10万種類ものタンパク質が

私たちの体内には、10万種類のタンパク質が存在するともいわれています。筋肉や骨、髪、皮膚、臓器、酵素、ホルモン、免疫細胞など、体内にあるさまざまな組織や物質は、タンパク質を素材としているのです。

 

タンパク質の消化・吸収、そして代謝プロセスは、“タンパク質→ペプチド→アミノ酸→ペプチド→タンパク質”とイメージするとわかりやすいです。

 

※ペプチド:アミノ酸が2〜49個結合したもの。50個以上はタンパク質という。

 

アミノ酸はタンパク質を構成する最小単位の成分。食事から摂取したタンパク質は、胃と小腸で一度ペプチドやアミノ酸に分解され、吸収されます。

 

そして血液を通じて全身に行き渡り、再び筋肉などのタンパク質として合成されるわけです。

 

筋肉の細胞「筋線維」を構成するタンパク質は、「収縮タンパク質」「調節タンパク質」「構造タンパク質」に分類できます。

 

トレーニングを行うと、筋線維が太くなり、筋肉が肥大しますが、これはこれらのタンパク質が増えることで起こる現象。特に筋線維内部の筋原線維は、主に収縮タンパク質からなり、これが増えることで、筋力も筋のサイズも増大します。

 

そのため筋力トレーニングにおいては挙上重量が重要なのです。この筋タンパク質は常に合成・分解され、合成が分解を上回ることで筋肉が増大します。

タンパク質はボディメイクの主役!

イラスト/丸口洋平、デザイン/TYPEFACE 
[図表1]食物中の「タンパク質」が「ポリペプチド」になるまでの流れ イラスト/丸口洋平、デザイン/TYPEFACE 

 

食物中のタンパク質は、胃で初期消化が行われる。消化酵素「ペプシン」によりタンパク質の構造が壊れ、11個以上のアミノ酸がつながった「ポリペプチド」に変化する(アミノ酸が50個以上結合したのがタンパク質、50個未満のものはペプチドと呼ばれる)。

 

[図表2]「ポリペプチド」が「アミノ酸」になるまでの流れ

 

ポリペプチドは膵液や小腸粘膜で、「トリプシン」「カルボキシペプチターゼ」などの消化酵素により、「オリゴペプチド」「トリペプチド」「ジペプチド」や単体のアミノ酸に分解される。

 

小腸粘膜上皮細胞を通過。粘膜を通過できるのは、単体のアミノ酸、アミノ酸が2つのジペプチド、アミノ酸が3つのトリペプチドで、ペプチドは「微絨毛」の細胞質の中でアミノ酸になる。

 

[図表3]「アミノ酸」が「タンパク質・遊離アミノ酸」になるまでの流れ

 

門脈を経て肝臓に運ばれたアミノ酸は、体内で必要なタンパク質につくり替えられる。この際、約2,000種の酵素が瞬時に働いているとされる。一部は「遊離アミノ酸」として体内に蓄えられるが、これを「アミノ酸プール」という。

 

[図表4]「遊離アミノ酸」は何に使われるのか

 

遊離アミノ酸は各組織のタンパク質合成に使用される。合成に必要とされない場合や必要以上のアミノ酸が摂取された場合、糖質が不足した場合などは、エネルギー源として消費される。

次ページ「筋線維は3つのタンパク質で構成される」
世界一細かすぎる筋トレ栄養事典

世界一細かすぎる筋トレ栄養事典

岡田 隆

小学館

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