公正証書遺言の作り方と流れ
公正証書遺言は、どのように作成すればよいのでしょうか? 公正証書遺言を作るまでの基本的な流れは次のとおりです。
遺言の内容を検討する
はじめに、遺言の内容を検討します。たとえば、誰にどの財産を相続させるのかということなどです。
公証役場は、あくまでも決めた内容を法的な要件を満たした証書にしてくれる場所であり、原則として「家は配偶者に渡そうか、長男に渡そうかどちらがよいだろう」という相談や、「長男に全財産を渡したいけど、なにか問題はないかな?」という相談などに乗ってくれるわけではありません。そのため、公証役場へ出向く前に、遺言の内容をある程度決めておく必要があります。
しかし、遺言の内容を自分1人で検討することは、容易ではないでしょう。安易な遺言書を遺してしまうと、後のトラブルの原因となる可能性があるほか、相続が起きた後での手続きが難航する可能性などもあるためです。そのため、内容を検討する段階から、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
必要書類を収集する
遺言内容の検討と並行して、必要書類を収集します。 収集すべき書類は遺言の内容や状況によって異なりますが、主に次の書類などです。
・戸籍謄本
・印鑑登録証明書(印鑑登録証明書に代えて、公的機関が発行した顔写真付き身分証明書を用意することでも可能)
・住民票(相続人以外の人に遺産を渡す場合)
・遺言者と相続人との関係のわかる戸籍謄本
遺贈の対象となるものを特定したい場合は、必要に応じて、次の書類を用意するのがよいでしょう。
・不動産:全部事項証明書(登記簿謄本)や固定資産評価証明書
・預貯金:通帳や残高証明書
・有価証券:証券会社の取引明細書や残高証明書など
・車:車検証など
必要書類は遺言の内容によって異なりますので、ある程度集めたうえで公証役場の事前相談の際に持っていくとよいでしょう。なお、専門家にサポートを依頼した場合には、専門家側で書類を集めてくれたり、用意すべき書類について具体的に指示を受けることができます。
公証役場へ事前相談に出向く
書類がある程度揃ったら、遺言にしたい内容のメモと集めた書類を持って、公証役場に事前相談へ出向きます。相談は予約制であることが多いため、あらかじめ確認のうえ出向きましょう。公正証書遺言は、入院中などの事情がない限り、公証役場に出向いて作成することとなります。
公証役場に出向いて公正証書遺言を作成する場合には特に管轄の制限はありませんので、自宅から出向きやすい公証役場などを選択すれば構いません。なお、専門家へサポートを依頼した場合には、遺言者本人が事前相談に出向く必要がなくなる場合がほとんどでしょう。
文案を作成してもらい、確認する
事前相談後、公証人が遺言書の文案を作成してくれることが一般的です。この文案を受け取り、自身の意図するところと齟齬がないかどうか確認します。
証人を検討する
文案の確認と並行して、証人を誰にするのか検討します。証人の候補者に心当たりがない場合には、公証役場に紹介を依頼することが可能です。また、専門家にサポートを受けて公正証書遺言を作成する場合には、専門家側で証人を用意してくれることも多いでしょう。
公証役場に予約をする
次に、公正証書遺言を最終的に作成する日時を予約します。作成日には、遺言者のほか担当する公証人と2名の証人の予定を合わせることが必要です。そのため、候補日を複数挙げると調整がつきやすいでしょう。
予約した日時に出向く
最後に、予約した日時に公証役場へ出向きます。当日の流れは、おおむね次のとおりです。
2. 遺言者が、公証人と証人に遺言の内容を口頭で述べる
3. 公証人が遺言者が述べた内容を筆記する(通常は、事前の打ち合わせ内容に従って作成済み)
4. 公証人が筆記した文案を遺言者と証人に読み聞かせるか閲覧させる
5. 遺言者と証人が内容に間違いないことを確認のうえ署名捺印する
これで、公正証書遺言の作成は完了です。その後、作成した公正証書遺言の原本は公証役場で保管され、遺言者には謄本と正本が交付されます。
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