「赤字部門から撤退」すると“倒産危機”が加速する!? 判断を誤らないための「会社の利益」のとらえ方【公認会計士が警告】

「赤字部門から撤退」すると“倒産危機”が加速する!? 判断を誤らないための「会社の利益」のとらえ方【公認会計士が警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

会社にとって利益を上げることはきわめて重要ですが、「赤字部門からの撤退」が、かえって取り返しのつかないダメージをもたらすおそれがあります。どういうことなのか。『管理職3年目までに「会社の数字」に強くなる! 会計思考トレーニング』(PHP研究所)の著者で「IT」に精通した公認会計士である金子智朗氏が、会社の利益の最大化という見地からの「会社の数字」の合理的な読み方を解説します。

赤字部門は撤退すべき?

◆部門別損益計算書を見てみると……

人は目に見えているカタチで物を考えます。ですから、正しい意思決定をするためには、管理会計がしかるべきカタチをしていることが重要です。

 

それは、どんなカタチなのか? 本記事では、それを考えていきましょう。

 

まず、次のケースを考えてみてください。

 

F社では売上高営業利益率5%以上を目標にしていますが、前期の売上高営業利益率は[図表1](a)のように3.7%で、目標を達成できませんでした。

 

F社では[図表1](b)のような部門別損益計算書を作成しており、これに基づき、利益目標を達成するための組織戦略を役員会で立てたいと考えています。

 

[図表1]強化すべき部門、撤退すべき部門はどれ?

 

ここで演習問題です。

 

【演習問題】

撤退するべき部門はどれでしょうか?

共通固定費配賦額を引く前の利益に注目する

非常に多くの人が「撤退すべき部門はCだ」と答えます。その理由は「営業利益が赤字だから」です。

 

営業利益が赤字であることを理由に部門Cを撤退すべきだという人は、部門Cを撤退すれば営業利益の赤字を取り除けると考えています。そうでなければ、営業利益が赤字であることを理由に撤退すべきということにはなりません。

 

しかし、そこには誤解があります。部門Cから撤退した場合でも「なくならない費用」があるからです。

 

部門Cを撤退させても、部門Cに計上されている費用のすべてがなくなるわけではありません。勘定科目名からも想像がつくでしょうが、ここでの「本社費配賦額」は、本社の間接部門(直接売上を生み出さない業務を担当する部署)で発生した費用の総額が配賦されたものです。

 

したがって、部門Cを撤退させても、その総額は変わりません。部門Cを撤退させても、部門Cに配賦されていた額が残された部門に追加配賦されるだけです。

 

それを明らかにするために、さらに[図表2]のようにカタチを変えてみましょう。

 

[図表2]本社費を配賦する前の部門利益が見えるようにすると……

 

このカタチのポイントは、固定費を個別固定費と共通固定費配賦額に分けて、個別固定費を控除した後に部門利益という利益を設けたことです。

 

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管理職3年目までに「会社の数字」に強くなる! 会計思考トレーニング

管理職3年目までに「会社の数字」に強くなる! 会計思考トレーニング

金子 智朗

PHP研究所

その仕事は外注すべきか、値下げすべきか、この事業から撤退すべきか。 合理的、戦略的に判断をくだす「数字で考える」トレーニング

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