のちの共同創業者「セルゲイ・ブリン」との出会い
テック系雑誌に囲まれながら、モンテッソーリ教育や膨大な読書によって育ったラリー・ペイジはミシガン大学を卒業し、博士号を取るためにスタンフォード大学に入学しました。
イギリスのタイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)による2022年最新世界大学ランキングによると、スタンフォード大学は第4位にランクインしており、世界でも屈指の名門校です。ここでラリー・ペイジはのちにGoogleを創業することになるセルゲイ・ブリンと出会いました。
「ページランク」の構想を練る
ラリー・ペイジはミシガン大学で計算機工学の学士号を取得後、スタンフォード大学で計算機科学を学んでいましたが、そこで計算機工学の博士課程に在籍中のセルゲイ・ブリンと出会い、2人は意気投合して親友となりました。
このときラリー・ペイジは「もしすべてのウェブサイトをダウンロードできて、そのリンク先を記録しておけたら、どうなるだろう?」と考えるようになります。これがGoogleの根幹となる「ページランク」の考えの根幹となり、のちのGoogleの創業につながるのです。
ペイジとブリンの発明「ページランク」とは?
「ページランク(PageRank)」とは、ウェブページの重要性を決めるためのアルゴリズムであり、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって1998年に発明された技術・概念です。
簡単にいうと「外部サイトからのリンクが多いウェブページほど重要なページである」という考え方です。従来であればページ内にいくつキーワードが出てくるかで重要度を測っていましたが、この方法よりも的確に重要性を測ることができる方法がページランクでした。
たとえば、このページが外部サイトから1つもリンクされていなければGoogleにとってはそこまで重要なページではありません。しかし、5本、10本と外部サイトからのリンクを受けると、Googleはそのリンクの数だけ「重要なページである」と判断します。
「良質なページからリンクされるページは良質である」
ラリー・ペイジは「良質なウェブページから多くリンクされているウェブページは、必然的に良質なページである可能性が高くなる」と考えています。
したがって、Googleからの評価を高めようとして自作自演でリンクを飛ばしたとしても、そのウェブページが良質でなければリンク先のウェブページの評価は高まりません。むしろ、悪質なウェブページから10本のリンクを受けるよりも、良質なウェブページから1本のリンクを受けるほうが評価が高まる可能性が高いでしょう。
こうしたページリンクの概念を攻略しようとする手法や技術を「検索エンジン最適化」や「SEO(search engine optimization)」といって、現代のマーケティングには必要不可欠なものとして認識されています。
1998年、ついに「Google」を創業
このようにページランクというアルゴリズムをもとに、従来よりも優れた検索エンジンを開発したラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは、1998年に2人でGoogleを創業しました。Googleのミッション・ステートメントは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」とされ、非公式なスローガンには「Don’t be evil.(邪悪になるな)」があります。
ラリー・ペイジはGoogle LCCの持株会社として設立されたAlphabet Inc.の最高経営責任者でしたが、Alphabet Inc.の社長を務めていたセルゲイ・ブリンの退任と同時に退任しました。しかし、現在でも2人合わせて16%の株式を保有しています。
「Google」ではなく「googol(グーゴル)」だった?
いまでこそ当たり前のようにGoogleと呼んでいますが、創業当時はGoogleではなく「googol」にする予定だったことをご存知でしょうか?
「googol」とは10の100乗という膨大な数を表しており、宇宙に存在する原子の数よりも大きな数になります。この「googol」という言葉は1920年に生まれたもので、実はアメリカの数学者エドワード・カスナーの9歳の甥ミルトン・シロッタによる造語なのです。
ラリー・ペイジはこの言葉を会社の名前にしようと考えましたが「googol」のスペルを書き間違えてしまい、現在の「Google」になりました。もし、社名が「googol」だったなら、「ググる」ではなく「グゴる」といっていたかもしれません。
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